僕が可愛いって本当ですか?

さよ

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本編

ドキドキ 1

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 翌日。

(最近、敏感になってきてない?)

 ベッドの上に座った幸多は足を閉じ、目立ってきた乳首を両手で押さえた。手の横を見ると胸にキスマークが見えて、頬が熱くなり目をそらす。

 ヒューが目を覚ましたようで、幸多に抱きつき手を伸ばした。段になったお腹をもむのも良いけれど、ふっくらした胸をもみ、途中で乳首をくにっと擦って反応を見る。

「……っ……こら!」
「ね、もうちょっと」
「ダメ。もうお昼近いしデンドルムもこっち来るよ。僕は起きるから」

 この状態を見られるのはさすがに恥ずかしい。少し痛む腰をさすりながら、服を着て広間へ向かった。

「ん~……」

 長椅子ソファーに座ってうなりながら、何やら作業をしているデンドルムをのぞき込む。小さな魔石を机に並べて眺めているようだ。

「お? 幸多、おはよう。動けるなら大丈夫そうだな」

 ニヤリと笑い、机を片付けながら座れというように隣をポンポン叩いた。
 幸多が座ると、デンドルムは両手でほっぺたをこね回す。乱暴に見えて、全然痛くない。

「オレのことも少しは意識してくれよ」
「う……」
「なんだぁ? その顔」

 デンドルムのことは好きだけれど、恋愛的な意味じゃない。困ってしまって幸多の眉が下がる。
 この見た目で数百歳だと聞いて驚いた。エルフは千年近く生きると、デンドルムは遠くを見つめて呟いた。
 本当に僕が相手で良いのだろうかと幸多は考える。

「お前を困らせたいわけじゃねぇんだけど……。手を握って、側にいるくらいは許してくれるか?」

 じっ、と真剣なまなざしで幸多を見つめ、言葉を待った。

「……うん」
「ありがとな」

 優しく笑うデンドルムがきれいで、見惚れたことは秘密にしよう。扉の開く音が聞こえ、ヒューが広間に来たことによって二人が見つめ合う時間は終わった。

 それから、ヒューとのイチャイチャは相変わらずで、デンドルムは家にいるときは必ず幸多の側にいた。
 子どもについては、残念ながらできていなかった。十日間様子を見て、魔力が中にとどまっていたら子ができた証だ。「焦らなくて良いよ」とヒューは言ってくれた。

 デンドルムは最初に好きだと言ったきり。特に返事をせかされることもなく日々が過ぎる。
 ――ただ、視線からは好きだという気持ちがひしひしと伝わってきて。
 指を絡め、肩をくっつけ、甘えるように幸多の肩に頭を預ける。たまに視線が合っては、無言でお互いを見つめ合った。そんなことばかりが続く。

(ドキドキするなっていうのは、無理な話です……)
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