僕が可愛いって本当ですか?

さよ

文字の大きさ
上 下
3 / 21
本編

嘘だと言ってくれ 1※

しおりを挟む
 幸多をのぞき込み、キスを落とす。
 はぁ、と甘く息をこぼす幸多を眺め、次はどうだったか、と悩みながらも舌をねじ込む。ぎこちない行為も、舌が触れ合いくちゅっと音が鳴ればお互いその雰囲気に酔い溺れていった。

 乳首をつままれ、キスを繰り返す。幸多の陰茎は擦られて一度射精していた。
 キスをやめたヒューは、幸多のやわらかくなった穴に自身をくっつける。

「……怖い?」

 怖くないと言えば嘘になるが、ナカがくすぐったくて仕方がない。早く楽にしてくれと首を横に振った。

「あ……っ……うぁ……」

 全てが性感帯になったかのように、少し進むたびに幸多が喘ぐ。亀頭が、尻の中にたまったドロドロの媚薬を押し込みグプッと音を立てた。

 ゆっくりと腰を進め、お互いの肌がくっつく頃には息も絶え絶えで目を潤ませた幸多がいた。
 ヒューが動き出すと、ベッドの軋む音と幸多の喘ぎ声だけが響く。

「まって……ま、って……! あ、あ、……おかしくなる、から……っ、僕の、からだ、あっ……変、なんだっ……」
「壊れないから……大丈夫だよ。コータの体は、何も、おかしくない」
「こんなに、気持ちいいの、……おかし、い……っ」
「っ……もう、可愛いこと言って煽らないでよ」

 ボソリと呟いたヒューの行為は激しくなっていった。

 足をつかまれ、腰の動きで追い込まれる。幸多の中でじわじわと何かが上ってきて、はじけた。

「あ、ああっ、だめ、……ぅあ……あっ……っ!」

 目を閉じ生理的な涙がこぼれる。ひどく強い快感に襲われ、両手を握りしめながら落ち着くのを待つ。
 その間もヒューは何度か出し入れを繰り返し、中に精を放った。

 動きが止まって少ししてからそっと目を開くと、ぼやけた視界に薄い赤紫の瞳が見えた。ヒューが幸多にちゅっとキスを送り離れていく。
 自分の中に入っていたモノがずるっと抜かれる感覚に、脱力していた幸多の体がピクリと反応した。だが、手を動かす気力もない。

 引きこもっていたこともあり、この運動は体にこたえたのか眠気がひどい。
 色々と聞きたいことはあるが、重い瞼をどうすることもできずに意識は沈んでいった。

◇ ◇ ◇

 ヒューは焦っている。
 脂肪がたっぷりついた、黒髪で瞳の小さな美人で可愛い子と絡み合って、その後きちんときれいにしてから、もちもちの肌を抱きしめて眠ったのだ。夢の中で。

 では、今目の前にいる美しい人は……?

「現実……?」

 欲を言えばもっと戯れたかったなどと思ってはいたが、あの行為自体が現実だとは思っていなかった。
 すやすやと眠る幸多の痴態も、ヒューをすがるように見る焦げ茶の瞳も、はっきりと覚えている。

 ヒューは幸多の頬を無意識になでた。

(ここにいる)

 これが夢ではないと気づいたのは、何もかもが終わってからだった。
 やってしまったことは謝るしかないが、ヒューにもいまいち状況が把握できていない。

 とりあえず、昨日の依頼達成となる品物を提出し、報告を今日中にしなければならない。それからしばらくは休みを取って諸々の説明と話し合いをしよう。
 そう決めて幸多に毛布をかけ直すと、出かける準備に取りかかる。できれば殴られたくはないが、心の準備もしておこう。

 顔を見られないためにローブについているフードをかぶり、読むかはわからないが書き置きをしてヒューは家を出て行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??

独占欲強い系の同居人

狼蝶
BL
ある美醜逆転の世界。 その世界での底辺男子=リョウは学校の帰り、道に倒れていた美形な男=翔人を家に運び介抱する。 同居生活を始めることになった二人には、お互い恋心を抱きながらも相手を独占したい気持ちがあった。彼らはそんな気持ちに駆られながら、それぞれの生活を送っていく。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

もしかしてこの世界美醜逆転?………はっ、勝った!妹よ、そのブサメン第2王子は喜んで差し上げますわ!

結ノ葉
ファンタジー
目が冷めたらめ~っちゃくちゃ美少女!って言うわけではないけど色々ケアしまくってそこそこの美少女になった昨日と同じ顔の私が!(それどころか若返ってる分ほっぺ何て、ぷにっぷにだよぷにっぷに…)  でもちょっと小さい?ってことは…私の唯一自慢のわがままぼでぃーがない! 何てこと‼まぁ…成長を願いましょう…きっときっと大丈夫よ………… ……で何コレ……もしや転生?よっしゃこれテンプレで何回も見た、人生勝ち組!って思ってたら…何で周りの人たち布被ってんの!?宗教?宗教なの?え…親もお兄ちゃまも?この家で布被ってないのが私と妹だけ? え?イケメンは?新聞見ても外に出てもブサメンばっか……イヤ無理無理無理外出たく無い… え?何で俺イケメンだろみたいな顔して外歩いてんの?絶対にケア何もしてない…まじで無理清潔感皆無じゃん…清潔感…com…back… ってん?あれは………うちのバカ(妹)と第2王子? 無理…清潔感皆無×清潔感皆無…うぇ…せめて布してよ、布! って、こっち来ないでよ!マジで来ないで!恥ずかしいとかじゃないから!やだ!匂い移るじゃない! イヤー!!!!!助けてお兄ー様!

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

究極の雨男で疎まれていた俺ですが異世界では熱烈歓迎を受けています

まつぼっくり
BL
ずっとこの可笑しな体質が嫌だった。でも、いつかこの体質で救える命もあるんじゃないかと思っていた。 シリアスそうでシリアスではない 攻 異世界の虎さん✕ 受 究極の雨男 ムーンさんからの転載です

処理中です...