みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~

黒色の猫

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閑話・暗部からの報告

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 私は、2人がすぐに戻ってこない事を話す。

「そう言われればそうだな。なら、早急に対応して、2人が帰ってこれるよう頑張らないとな。」

「そうね。でも、焦りすぎてへましないように気を付けてよ。」

「あ… あぁ、気を付けるよ。」

 話が一段落した所で、

 コンッコンッ

 と扉がノックされる。
 あの人が誰か尋ねると、扉の外の者は、ある言葉と名前を答える。
 今のは、一部の者のみ知っているやり取りだ。

「リリー、入れてくれ。」

「畏まりました。」

 リリーが扉を明け、外にいた者を招き入れる。
 入ってきた者は、すぐその場にひざまづく。

「例の件のご報告に来ました。」

「聞こう。」

 ひざまづいたまま、フーリッシュの件について報告してくれる。

「そうか。なら、外部から誰かが入ってきた形跡は無いのだな?」

「はい。それらしき形跡はありませんでした。」

「なら、家の者の犯行か?」

「いえ、そういう訳でもないみたいです。」

「どういう事だ? 今の報告を聞いた感じでは、内部の犯行じゃないのか?」

「その線も調べたのですが、怪しい人物はいませんでした。」

「なら、どうなっているのだ?」

「今のところ、フーリッシュの死体に外傷らしき外傷が見当たらない事から病死ではないかとの事です。」

「外傷がないだと?」

「はい。内の手の者にも調べさせたのですが、見当たらなかったようです。」

「そうか。どうなっているのだ?」

「あ、その件で1ついいかしら?」

 あの人と暗部の者とのやり取りに口を挟む。

「ん? どうした、レジーナ?」

「グラディウスが言ってたんだけど、エルマーナにかけられた呪詛が治ったから、呪詛返しが起こって死んだんじゃないかって。」

「呪詛返し… なる程な。一理あるが、あれだけ用心深いあいつが、その対策をしていなかったとは思えないな。何かなかったか?」

 あの人が暗部の者に聞くと、

「それてしたら、1つ気になる事がありました。」

 そう言って、暗部の者は、懐から1つの腕輪を取り出した。

「それがどうかしたのか?」

「これは、フーリッシュが身に付けていたものです。それを回収し持ってきました。」

「何の腕輪だ?」

「どうやらこれは、呪詛返し対策のアイテムのようです。効果は、呪詛が返された場合、自分の代わりに設定した相手にそれを肩代わりさせるようです。」

「…身につけていたって事は、それが使われたのではないか?」

「いえ、どうやら使用される前から壊れていたようです。」

 暗部はそれが壊れていたと告げる。
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