みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ～極めたらとんでもない事になりました～

２６２話・エリクサーの効果？

　夜の出来事は、２人だけの秘密になっているので、初めて会った風を装い、ラウムさんに自己紹介しておく。
　それが終わると、ラウムさんは、空いていた僕の隣に腰掛け、食事が始まった。
　食事が始まり少しして、ふと気になる事があって、エルマーナ様の方をチラッと見ると、エルマーナ様と目が合ってしまい、病み上がり？とは思えない程の速度で、エルマーナ様は、僕から目をそらした。

「ノーリ君。エルがどうかしたの？」

　それらを見ていたのか、グラディウスさんが、僕にそう尋ねてきた。

「あ、いえ…　エルマーナ様は、長い間寝ていたと聞いていたので、目覚めてすぐに、僕たちと一緒の食べ物を食べていいのかどうか気になってしまっただけです。」

　以前、１日何も食べずに過ごした後に、普通にご飯食べて、気分が悪くなった事があったので、エルマーナ様は、大丈夫かなって気になってしまった。

「あぁ、なる程ね。エル、調子はどう？」

「えっと…　今のところは、何もないです。」

　それを聞き、エリクサーは、そこら辺にも効果があるのかと１人で納得しておく。

「そうですか。なら、良かったです。」

「は…　はい。心配して下さり、ありがとうございます…」

　エルマーナ様は、態々わざわざ僕の方へと向き直り、頭を下げてきた。

「あ、いえ。ただ少し、気になっただけなので、お礼を言われる程ではありませんので、頭をお上げ下さい。」

「は…　はい。」

　頭を上げてくれたエルマーナ様は、正面に向き直ってくれる。

「ふふ…　まぁでも、もしかしたら後で、お腹が痛くなるかもしれないから、あまり食べすぎないようにね、エル。」

　笑みを浮かべた、グラディウスさんが、エルマーナ様にそう言われる。

「はい、分かりました。でも、お姉様。元々私は、そこまで食べませんよ。」

　エルマーナ様は、少し頬を膨らませながら、グラディウスさんに抗議する。

「そうだったわね。ごめんね、エル。」

　抗議されたグラディウスさんは、優しげな顔で謝った。
　エルマーナ様も、本気で怒っていた訳ではないようで、すぐにグラディウスさんを許し、止まっていた食事が再開される。
　食事中、エルマーナ様とラウムさんが出会った話をラウムさんが話してくれたり、ナニーさんより、２人の子供の頃の話などを聞かされたりし、何事もなく食事を終えた。
　その後、食器を片付けてから、皆が元いた席に座り、エルマーナ様から、話を聞く事となった。
　僕は、エルマーナ様から、どのような話が飛び出すのか、内心ドキドキしながら、その時を迎えた。