317 / 390
256話・ちょっとした後悔
しおりを挟む
グラディウスが、エルの側に寄れるよう、私はベッド前から移動し、扉近くで今から起こる様子を見守る。
因みに私だと、今から起こる事をされたら叫ぶ自身があるので、当然のように、手は耳の近くで構えておく。
エルに近寄ったグラディウスが挨拶しながら、エルの手に触れた。
内心、来た!! と思ったのだが、エルは驚かさなかった。
サプライズを提案した際、少し申し訳なさそうな様子だったから、驚かすのを止めたのかなと思っていた所で、エルが実行に移した。
「!?」
知っていた筈なのに、思わぬタイミングで実行したエルに私も驚かされた。
しかも、その驚いた弾みで、後頭部を壁に打ち付けるし、耳を塞ぐタイミングも遅れしまうし、サプライズを提案した事に少し後悔した。
まぁだけど、泣きながら、抱き合っている2人を見て、ノーリに何度したか分からない感謝をする。
そして、どうやらグラディウスの叫び声を聞いて、ナニーたちがこっちに来ている足音が聞こえたので、部屋を間違えないように、そっと開けておく。
すぐに、慌てた様子の2人がやって来て、目の前で起こった事が受け入れられないのか、2人とも固まってしまった。
固まってしまった2人の気持ちは分からないでもないので、私は特に何かをする訳でもなく、自然と動くまで待っていると、隣の部屋の扉が開く音がし、ノーリが出てきた。まぁ、あれだけ騒げば、出てもくるかと思い、一礼しておく。
ノーリも、一礼返してくれ、何故か自分の頬を叩き、何かしら気合いをいれてから、こっちに歩いてくる。
一応私は、まだノーリと面識がない事になっているので、グラディウスから紹介されるまで、姿を消しておく事にした。
◆
誰かの叫び声を聞き、まだ眠かったけど、声の主やその理由を探る為、騒がしくなり出している扉の外へむかう。
ドアノブに手をかけようとした所で、先程までの騒がしさが嘘のように、シーンとなっていた。
ますます訳が分からなくなり、すぐさま部屋の外に出てみると、隣の部屋の扉が開いており、ラウムさんと目があった。
頭を下げてくれたので、僕もそれにならい頭を下げ返し、昨日の出来事を思い返し、今起こっている出来事を察した。
一応、昨日の出来事に僕が関わっているとバレる訳にはいかない為、
「ふぅ…」
息を整え、
パンッパンッ
と両頬を叩き、気合いを入れる。
「よし、いくぞ!!」
小声で、掛け声をかけ、
「大きな声がしましたけど、どうかされましたか?」
何も知らない風を装い、開いてある扉から、隣の部屋へと入らせて貰う。
因みに私だと、今から起こる事をされたら叫ぶ自身があるので、当然のように、手は耳の近くで構えておく。
エルに近寄ったグラディウスが挨拶しながら、エルの手に触れた。
内心、来た!! と思ったのだが、エルは驚かさなかった。
サプライズを提案した際、少し申し訳なさそうな様子だったから、驚かすのを止めたのかなと思っていた所で、エルが実行に移した。
「!?」
知っていた筈なのに、思わぬタイミングで実行したエルに私も驚かされた。
しかも、その驚いた弾みで、後頭部を壁に打ち付けるし、耳を塞ぐタイミングも遅れしまうし、サプライズを提案した事に少し後悔した。
まぁだけど、泣きながら、抱き合っている2人を見て、ノーリに何度したか分からない感謝をする。
そして、どうやらグラディウスの叫び声を聞いて、ナニーたちがこっちに来ている足音が聞こえたので、部屋を間違えないように、そっと開けておく。
すぐに、慌てた様子の2人がやって来て、目の前で起こった事が受け入れられないのか、2人とも固まってしまった。
固まってしまった2人の気持ちは分からないでもないので、私は特に何かをする訳でもなく、自然と動くまで待っていると、隣の部屋の扉が開く音がし、ノーリが出てきた。まぁ、あれだけ騒げば、出てもくるかと思い、一礼しておく。
ノーリも、一礼返してくれ、何故か自分の頬を叩き、何かしら気合いをいれてから、こっちに歩いてくる。
一応私は、まだノーリと面識がない事になっているので、グラディウスから紹介されるまで、姿を消しておく事にした。
◆
誰かの叫び声を聞き、まだ眠かったけど、声の主やその理由を探る為、騒がしくなり出している扉の外へむかう。
ドアノブに手をかけようとした所で、先程までの騒がしさが嘘のように、シーンとなっていた。
ますます訳が分からなくなり、すぐさま部屋の外に出てみると、隣の部屋の扉が開いており、ラウムさんと目があった。
頭を下げてくれたので、僕もそれにならい頭を下げ返し、昨日の出来事を思い返し、今起こっている出来事を察した。
一応、昨日の出来事に僕が関わっているとバレる訳にはいかない為、
「ふぅ…」
息を整え、
パンッパンッ
と両頬を叩き、気合いを入れる。
「よし、いくぞ!!」
小声で、掛け声をかけ、
「大きな声がしましたけど、どうかされましたか?」
何も知らない風を装い、開いてある扉から、隣の部屋へと入らせて貰う。
4
お気に入りに追加
868
あなたにおすすめの小説
追放シーフの成り上がり
白銀六花
ファンタジー
王都のギルドでSS級まで上り詰めた冒険者パーティー【オリオン】の一員として日々活躍するディーノ。
前衛のシーフとしてモンスターを翻弄し、回避しながらダメージを蓄積させていき、最後はパーティー全員でトドメを刺す。
これがディーノの所属するオリオンの戦い方だ。
ところが、SS級モンスター相手に命がけで戦うディーノに対し、ほぼ無傷で戦闘を終えるパーティーメンバー。
ディーノのスキル【ギフト】によってパーティーメンバーのステータスを上昇させ、パーティー内でも誰よりも戦闘に貢献していたはずなのに……
「お前、俺達の実力についてこれなくなってるんじゃねぇの?」とパーティーを追放される。
ディーノを追放し、新たな仲間とパーティーを再結成した元仲間達。
新生パーティー【ブレイブ】でクエストに出るも、以前とは違い命がけの戦闘を繰り広げ、クエストには失敗を繰り返す。
理由もわからず怒りに震え、新入りを役立たずと怒鳴りちらす元仲間達。
そしてソロの冒険者として活動し始めるとディーノは、自分のスキルを見直す事となり、S級冒険者として活躍していく事となる。
ディーノもまさか、パーティーに所属していた事で弱くなっていたなどと気付く事もなかったのだ。
それと同じく、自分がパーティーに所属していた事で仲間を弱いままにしてしまった事にも気付いてしまう。
自由気ままなソロ冒険者生活を楽しむディーノ。
そこに元仲間が会いに来て「戻って来い」?
戻る気などさらさら無いディーノはあっさりと断り、一人自由な生活を……と、思えば何故かブレイブの新人が頼って来た。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる