みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~

黒色の猫

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255話・驚かされる

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 ラウムから、お姉様にサプライズを仕掛けようと提案された。
 少し面白そうと思ったけど、今まで心配させていたので、やっぱり普通に報告しようと、提案する前にお姉様がやって来た。
 どうしたものかとオロオロしていると、ラウムに急かされ反論する暇もなく、ベッドに横にならされ、ラウムがお姉様を部屋に招き入れた。
 久しぶりにお姉様を見たので、涙が込み上げてきたが、もうこんな状態なので、もうなるようになれと、お姉様が声をかけてくれるまで、2人の話を聞きながら、大人しく待つ事にした。

「はい、そのつもりです」

 そう言って、お姉様が私に近寄ってきた。





 何かいつもと少し様子が違うラウム様との会話を終え、エルに近寄る。

「おはよう、エル…」

 エルに声をかけながら、いつものように氷のように冷たい手を握…

「あれ?」

 ニギニギとエルの手を何度か握ってみる。

「やっぱり、温かい?」

 私の勘違いでなかった。
 なぜ急に、エルの手が温かくなっているのか、今まで一緒にいたラウム様に声をかけようとした所で、

「お姉様!!」

「~~~~~~~!!」

 突然、呪詛に犯されて、目覚めなくなったエルが起き上がって、声を出してきた。
 まさかの出来事に、私は、かつてない程驚いてしまい、自分でもこんな声が出るのかと思う程の声を張り上げてしまった。
 それを間近で聞いたエルは、耳を抑えながらも、私の方を見ながら、笑顔を浮かべながらも、目に涙をためていた。
 その姿を見て、

「ほ… 本当にエルなの?」

 そう聞きながらも、自分で自分の声が震えているのが分かる。

「は… はいお姉様、私です」

 エルも、声を震わせ、ためていた涙を流しながら答える。
 その答えを聞くと同時に、私はエルの背に手を回し、ギュッと抱き締めた。

「お姉様、少し苦しいです…」

 だけど、嬉しすぎて少し力加減を間違えたのか、私の腕の中で、エルがそう訴えてきた。

「あ、ごめん、エル」

 謝りながら、力を緩める。

「いえ、大丈夫です」

「そう。良かった」

 ホッとしていると、

「えっちゃん、どうしたの!!」

 ドタバタと足音を立てながら、いつの間にか開いていた扉から、ナニーさんが部屋の中へと入ってきた。ナニーさんの後ろには、アリーもついて来ていた。
 どうやら、足音を聞いたラウム様が、扉を開けていたみたいだ。
 中に入ってきた2人は、今の私を不思議そう見た所で、

「ナニー先生、アリー、おはようございます!!」

 エルが2人に声をかけると、2人は、驚愕な顔を浮かべたまま固まってしまった。
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