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251話・嘘
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エルの待つ部屋に戻ると、エルは眠っていた。
少し緊張しながら、エルの肩を揺すりながら声をかけ、ちゃんと起きた事にホッとする。
「あ!! むこうは、どうでしたか、ラウム? あの方は、いましたか?」
起きて早々に、エルは私に詰め寄ってきながらそう聞いてくる。
「落ち着いて、エル。今から、ちゃんと話をするから。」
「す… すみません、ラウム…」
「落ち着いたならいいわ。それじゃあ、あった事を話すわね。」
エルの横に腰掛け、そう話を切り出す。
エルには少し悪い気持ちもあるが、ノーリとの約束で、本当の事を教える訳にはいかない為、それらしい話をエルに話す。
「転移先は森の中で、ラウムが後を追って転移した時には、既にその場にはいなかったんですね…」
エルは、顔を伏せ、少し落ち込んだ様子で聞き返してくる。
「えぇ。一応、転移先の近くも軽く探したんだけど、その人を見つける事は出来なかったわね。」
「そうですか… 因みに、そこに私を連れて行って貰う事は出来ますか?」
チラッと顔を上げ、そう聞いてくる。
だけど、そう聞いてくる事は予想できていた。
「別に構わないけど、エルはまだ治ったばかりなんだから、また今度ね。」
「そうですか… なら、また今度お願いするかも知れません…」
「えぇ、そうして頂戴。」
まぁ、その時は、私が秘薬を探す際に行った事のある森にでも転移して誤魔化させて貰う予定だけどね。
「ほら、今日はもう遅いから、起こして悪いけど、私たちも休みましょうか。」
「分かりました。おやすみなさい、ラウム。」
「おやすみ、エル。」
私は、ラウムがつけたのであろうランプを消してから、ラウムの横に移動し、私も横になり眠りについた。
ラウムが治ってひと安心した事や疲れていた事もあわさってか、すぐに意識を手放した。
◆
「おやすみ、エル。」
そう言った後、ラウムは、私のつけたランプを消してくれ、眠りついた。
すぐに寝息が聞こえてきたので、余程眠かったのか、すぐ寝てしまうくらい疲れていたのだろと思う。
私は体を起こし、隣で寝ているラウムを見る。
ラウムは、私が起きた事にも気付かず、ぐっすり眠っている。
その姿を微笑ましく思いながらも、私の為に色々してくれていたのは知っているので、改めて感謝する。
ひとしきり感謝した後、私は、先程のラウムの話を思い返す。
「あの人はいなかったか…」
そう聞いた時は、確かに落ち込みかけたが、ラウムのある行動をみて、何とか思い止まった。
ラウム自身が気付いているかどうかは分からないが、ラウムのまばたきの回数が普段より多くなっている時は、嘘をついている証拠だからだ。
少し緊張しながら、エルの肩を揺すりながら声をかけ、ちゃんと起きた事にホッとする。
「あ!! むこうは、どうでしたか、ラウム? あの方は、いましたか?」
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「す… すみません、ラウム…」
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「転移先は森の中で、ラウムが後を追って転移した時には、既にその場にはいなかったんですね…」
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「そうですか… なら、また今度お願いするかも知れません…」
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まぁ、その時は、私が秘薬を探す際に行った事のある森にでも転移して誤魔化させて貰う予定だけどね。
「ほら、今日はもう遅いから、起こして悪いけど、私たちも休みましょうか。」
「分かりました。おやすみなさい、ラウム。」
「おやすみ、エル。」
私は、ラウムがつけたのであろうランプを消してから、ラウムの横に移動し、私も横になり眠りについた。
ラウムが治ってひと安心した事や疲れていた事もあわさってか、すぐに意識を手放した。
◆
「おやすみ、エル。」
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すぐに寝息が聞こえてきたので、余程眠かったのか、すぐ寝てしまうくらい疲れていたのだろと思う。
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その姿を微笑ましく思いながらも、私の為に色々してくれていたのは知っているので、改めて感謝する。
ひとしきり感謝した後、私は、先程のラウムの話を思い返す。
「あの人はいなかったか…」
そう聞いた時は、確かに落ち込みかけたが、ラウムのある行動をみて、何とか思い止まった。
ラウム自身が気付いているかどうかは分からないが、ラウムのまばたきの回数が普段より多くなっている時は、嘘をついている証拠だからだ。
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