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165話・説得 2

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 目を覚ました私たちは、周りを見ると、ドリさんの姿がなかった。

「ドリさんがいないね?」

「あ、本当だ…」

 もしかしてと思い、お兄ちゃんの寝ているベッドを見てみると、お兄ちゃんもいなくなっていた。
 だから、2人を探そうと外に出てみたら、昨日お兄ちゃんと話した場所で、2人を見つけた。ただ、声をかける前に2人は、手を繋ぎ姿を消した。
 それを見た私たちは、顔を見合わせた。

「2人ともどこかに、行っちゃったね…」

「行ったね…」

「アードちゃんは、何か聞いてる?」

「ううん…」

「そっか…」

 私も、何も聞いてないから、お兄ちゃんたちがどこに行ったのかは分からない。

「どうしよっか、アードちゃん?」

「どうしようか?」

 2人で、どうするか考える。
 考えた結果、

「朝御飯でも作って、待ってようか?」

「うん!!」

 私たちは、昨日使わなかった食材を使い、朝御飯を作りながら2人を待つ事にした。





「ダンジョン移動!!」

 僕は、ドリさんを連れて、家のダンジョンへと移動する。今回は、ダンジョンルームではなく、直接森の前に、移動した。
 目の前に広がる森を見て、ドリさんは目を見開き驚く。

「の… ノーリさん、ここはいったい?」

 驚いた顔のまま、ドリさんが尋ねてきたので、

「僕の家の地下ですね。」

 僕がそう答えると、首をかしげた後、もう一度森を見渡した後、

「は?」

 信じられないという顔をしていた。

「言葉通りですよ、ドリさん。まぁ正確に言うには、僕の家の下にあるダンジョンです。」

「ダンジョン…」

「はい、そうです。」

 その後、僕は、どうしてここにダンジョンがあるのか正直に説明した。

「…ってな感じです。」

「そんな事が…」

「それで、どうでしょうか、ドリさん?」

「?」

「ここなら、人族と関わらずに暮らせますし、他の方もここに移り住めると思います。」

「それは、そうですが… そんなに甘える事は…」

 最初に比べ、どうすべきか揺れ動いているように見えた為、もうひと押しする。

「それなら、ドリさんにお願いしたい事があります。」

「私に、お願いしたい事ですか?」

「はい、そうです。ドリさんに、ダンジョンの入り口に、結界を張って貰いたいんです。」

「…私の結界をですか?」

「はい。ドリさんに、結界を張って貰えたら、安心出来るんです。」

 人を招く事は、そんなにないけど、あるとないとでは全然違う。

「だから、ドリさん。アードちゃんと一緒に、僕たちと来ませんか?」

 僕は、そう言いながら、手を差し出す。
 ドリさんは、少し迷った後、

「妹共々、宜しくお願いします!!」

 僕の手をとってくれた。
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