上 下
159 / 390

145話・起きたら…

しおりを挟む
「ふぁ~」

 目が覚めると、見知らぬ部屋だった…
 って、そういえば、昨日は、リーベさんの所に、泊めさせて貰ったんだった。
 僕は、体を伸ばした後、部屋を出ると、リーベさんとばったり出くわす。

「おはよう、ノーリ君。よく休めたようね?」

「おはようございます、リーベさん。はい。ぐっすり、眠れました。」

「それは、良かったわ。なら、ご飯を用意してあるから、一緒に食べましょうか?」

「で… ですが…」

「ふふ… なら、作りすぎたから、一緒に食べてくれないかしら?」

「…分かりました。何から何まで、すみません…」

「別に、いいわよ。それじゃあ、顔を先に洗ってらっしゃい。場所は、あっちよ。」

「はい。お借りします。」

 僕は、顔を洗った後、リーベさんと一緒にご飯を食べ始める。





「え!! もう、お昼なんですか!!」

 リーベさんの言葉に衝撃を受ける。

「えぇ、そうよ。余程疲れてたのね。」

「すみません…」

「謝らなくていいわよ。それで、グラディウスからの伝言だけど、帰る前に、1度ギルドに顔を出してって言ってたわよ。」

「グラディウスさんがですか?」

 どちらにしろ、1度ギルドに寄ろうと思っていたから、丁度いい。

「分かりました。この後、顔を出そうと思います。」

「えぇ、そうしてあげて。」

 その後、ご飯を食べ終え、自分の分の食器を洗い、身支度を整える。

「それじゃあ、リーベさん。色々ありがとうございました!!」

「ふふ… 別にいいわ。何かあったら、いつでもいらっしゃい。」

「はい。その時は、お願いします。では、失礼します。」

 僕は、リーベさんと別れ、冒険者ギルドへむかった。





 冒険者ギルドへ来て、受付にグラディウスさんの場所を尋ねると、奥の部屋へと案内された。

「あ、いらっしゃい、ノーリ君。よく寝ていたようね。」

「すみません…」

「別にいいわよ。」

「それで、僕が呼ばれた理由は、なんでしょうか?」

「ノーリ君は、今日戻るんでしょ?」

「? はい、そのつもりです。」

「だから、今の時点で、分かっている事を伝えておこうと思ってね。」

「そうだったんですね。ありがとうございます。」

「いいわ。それじゃあ、教えるわね。」

「お願いします。」

 グラディウスさんは、色々教えてくれる。

「こんな所ね。他に、聞きたい事はある?」

 僕は、受付に尋ねようと思っていた事をついでに、尋ねてみる。

「彼女は、どうなりましたか?」

「…ギルドで調べてみたけど、どうやら彼女は、独り身だったようで、引き取り手はいなかったわ。だから、ギルドの方で、供養させて貰ったわ。」

「そうですか… ありがとうございます。」

「いいのよ。他に、聞きたい事はある?」

「テットさんたちにも、挨拶しておきたいんですが、居場所は分かりますか?」

「彼らの事ね。ごめんなさい、そこまでは、把握してないわね。」

「そうですか…」

「他に、聞きたい事はある?」

「いえ、特にないですね。」

「そう。それじゃあ、帰るのなら気を付けてね。私も、数日中には、帰れると思うから、報酬は楽しみにしていてね。」

「わ… 分かりました。では、失礼します。」

 僕は、ギルドを後にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(補足)

ソルダは、グラディウスから貰った情報を精査する為、不眠で頑張ってます。

商会長らは、捕縛後、情報を搾り取られてから、奴隷落ちです。

奴隷になった人らの行方もソルダが頑張って調べますが、貴族に売却された人もいるので、国に話がいき、対処されます。(本編では、出てくる予定なし)
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので

sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。 早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。 なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。 ※魔法と剣の世界です。 ※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

捨てられた転生幼女は無自重無双する

紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。 アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。 ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。 アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。 去ろうとしている人物は父と母だった。 ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。 朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。 クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。 しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。 アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。 王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。 アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。 ※諸事情によりしばらく連載休止致します。 ※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。

投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」  リーリエは喜んだ。 「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」  もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。

クラスまるごと異世界転移

八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。 ソレは突然訪れた。 『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』 そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。 …そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。 どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。 …大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても… そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

処理中です...