みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~

黒色の猫

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113話・昇格試験 5

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「それじゃあ、始め!!」

 審判役のカールさんの掛け声と共に始まる。
 他の人の模擬戦を待たせている為、僕は、ムエルトに攻撃される前に、自分から仕掛ける。
 グラディウスさんが言っていた、縮地法を試してみるが… 成功する訳もなく、普通に走って近寄った。 
 とりあえず、ムエルトの目の前に移動した僕は、木剣を振り下ろす。気持ち的には、グラディウスさんにやられたように、僕の木剣が防がれる直前で、木剣を止め、膝蹴りをお見舞いする予定だったが、ムエルトは、木剣を防ごうとする素振りがない為、そのまま振り下ろした。一応、木剣が当たる直前で、力をぬいておく。
 それでも、僕の振り下ろした木剣は、

 ボキッ

 という音と共に、ムエルトの肩を叩き折った。
 一瞬、ヤバッと思ったけど、まぁ、ムエルトのせいで模擬戦をしているので、骨折も仕方ないかと割りきった。

「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!!」

 ムエルトは、痛みに耐えられず、叫びながら地面を転がる。

「そこまで!! 勝者ノーリ!!」

 カールさんの掛け声と共に、僕の模擬戦の決着がつく。僕の勝利宣言をしたカールさんは、他の試験者に対し少し待つよう伝え、のたうち回っていたムエルトを抱えて、訓練場を後にした。
 カールさんは、すぐに戻ってきた。
 僕は、カールさんに近寄り、一応どうなったのか、確認しておく。

「カールさん、あいつどうなりましたか?」

「一応、ギルド職員に事情を説明して預けてきたぞ。だから、ノーリがとやかく言われる事はねぇと思うぞ。」

「そうですか。ありがとうございますカールさ… あれ? でも、元を正せば、カールさんのせいじゃあ…」

「まぁ、それは、置いといて… ノーリ、お前、めちゃくちゃ強くなってるじゃねぇか!! 何だよ、さっきの動き、俺でもギリギリ対応出来るかどうかだぞ!!」

「まぁ、かなり頑張りましたから…」

「おいおい、頑張ってどうこう出来る動きじゃねぇと思うんだが… まぁ、検索はしねぇさ。それじゃあ、俺は、試験の続きをしないといけないから、ノーリは、端の方で、休んでいてくれ。」

「分かりました。」

 僕は、カールさんの言われた通り、訓練場の端へ移動して、試験が再開された。





 暫くして、模擬戦が終了した。
 結果、僕以外に、4人の冒険者が通過していた。因みに、みんな男だ。その通過者の中には、彼… テットさんも、通過していた。
 模擬戦が、終わってすぐに、マリヤさんが訓練場姿を現した。

「それじゃあ、模擬戦の合格者は、マリヤちゃんから、次の説明を聞いてくれ。」

 カールさんは、そう言うと、訓練場を後にした。
 マリヤさんは、最後の試験… 護衛依頼の説明を始める。
 必要な荷物を準備した後、集合時間までに、街の入り口に集合し、依頼の人・担当の冒険者パーティーの方と顔合わせをしてから、出発するようだ。
 僕は、予め準備しておいた荷物をアイテムボックスに入れてあり、集合時間までまだ時間があったので、お昼をソフィアたちと一緒にとった。
 それでも、まだ時間があったので、一度冒険者ギルドに顔を出す事にした。
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