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51話・ダンジョンマスター

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『称号:ダンジョンマスターを入手しました』

 あの時、聞いた声が聞こえたような気がしながら、僕の意識は、完全に途絶えた。





「お兄ちゃん!!」

 私は、倒れたお兄ちゃんのもとに、駆け寄る。

「お兄ちゃん、大丈夫!!」

 体を揺するが、反応はない。

「お兄ちゃん!! お兄ちゃん!!」

「大丈夫… 少し疲れただけ…」

 私は、すぐにお兄ちゃんの頭を膝の上にのせる。顔色は少し悪そうだけど、胸は規則正しく上下している。

「寝てるだけなの…」

 私は、お兄ちゃんが起きるのを、その体勢のまま待つ事にした。




 
「う… ここは…」

「お兄ちゃん!! 良かった…」

 目の前には、ソフィアの顔があった。

「ソフィア? 僕はいったい…」

「お兄ちゃん、あの玉に魔力を吸わせた後、倒れたの…」

「そうだったな…」

 じわじわと、意識が途切れる前の事を思い出す。

「お兄ちゃん、大丈夫?」

「あぁ、ちょっと体が重いだけで、後は特に…」

 ん、そういえば、何でソフィアの顔が目の前にあるんだ? 頭の下も、何だか柔らかいような…

「!?」

 僕は、すぐに体を起こそうとするが、

「ダメ!!」

 ソフィアに頭を押さえられる。

「ソフィア?」

「お… お兄ちゃん、ちゃんと治るまで、こ… このままの方がいいよ!!」

 見上げると、ソフィアの顔が赤くなっている。

「そうか… なら、お願いしようかな…」

「うん!!」

 僕は、もうしばらくソフィアの膝の上で休む事にした。
 しばらく、休んだ後、

「もう、大丈夫だよ。」

「そ… そうですか!!」

 僕が、体を起こすと、

『回復して良かったです、マスター』

 ん、今誰かの声がしたような…
 周りを見てみるが、僕とソフィア以外いない。

「お兄ちゃん、どうかしたの?」

 僕が、辺りを見渡したのが、気になったのかソフィアが尋ねてくる。

「今誰かの声が聞こえたような気がしたけど、気のせい…」

『こっちですよ、マスター』

「!? やっぱり、声が… こっち?」

 何となく、玉の方を見てみると、

『正解です、マスター』

 …やっぱり、この玉からの声だった。

「君はいったい、誰なんだ?」

『私は、ダンジョンコアです』

「ダンジョンコア?」

「お… お兄ちゃん、誰と話してるの?」

 心配そうに、ソフィアが聞いてくる。

「ソフィアには、聞こえないのか…」

『はい。この声は、ダンジョンマスターである貴方にしか、聞こえません』

 ダンジョンマスター? そういえば、そんな声を聞いたような気が…

「説明するから、ちょっと待ってなソフィア。」

「はい…」

 僕は、カードを取り出し、魔力を流す。

 名前:ノーリ 種族:人族 年齢:11 性別:男
 LV: 40 生命力:C 魔力:S
 力: C 器用: C 防御:C 敏捷: C
 知力: A 精神:C 運: B 魅力:C
 スキル:剣術Lv4、宝箱作製Lv4、アイテム鑑定Lv3
 見切りLv3、アイテムボックスLv2、身体強化Lv2
 俊足Lv5、気配察知Lv1、限界突破Lv1、ダンジョン移動
 称号:勇者、ダンジョンマスター
 到達階層:10階(オベリスタ王国ダンジョン)
 スキルポイント:35

 称号だけでなく、スキルまで増えてる。
 詳細を確認してみる。

ダンジョンマスター ・・・ ダンジョンコアに認められた者に与えられる称号。ダンジョンコアを使い、ダンジョン製作が可能になる。また、スキル:ダンジョン移動を取得。

ダンジョン移動 ・・・ 自身の製作したダンジョン内または、足の踏み入れた事のあるダンジョンに移動可能になる。

 これまた、凄い称号とスキルを覚えたな。
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