みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ～極めたらとんでもない事になりました～

８話・デート？ 1

　「ふぁ～あ！！」

　体を起こしながら、伸びをする。良く寝たおかげか、疲れはだいぶとれていた。

「おはよう、お兄ちゃん！！」

「おはよう、ソフィア。」

ソフィアに挨拶しながら、立ち上がる。
すると、

ぐ～

　お腹から、大きな音がなる。
　そういえば、お腹がやけに空いている気がするし、窓から日も射し込んでいる。

「なぁ、ソフィア…」

「何、お兄ちゃん？」

「今って、何時だ？」

　気になった僕は、ソフィア時間を尋ねる。

「もうそろそろ、お昼になるよ。」

「！？　そうか…」

　そりゃ、良く寝たとも思うわけだ。
　それにしても、もう昼か…

「なら、今日は休みにしようかな…」

「本当、お兄ちゃん！！」

「あぁ、ちょうどやりたい事もあるしな。」

「そっか…　(やりたい事が、あるなら一緒に勉強は無理かな…)」

　そうだ、久しぶりにソフィアでも誘って市場にでも行ってみるか。

「なぁソフィア？」

「何お兄ちゃん？」

「最近、勉強頑張ってるようだし、市場にでも一緒に…　「行く！！」　行くか…」

「何があっても、絶対に行く！！」

「そ…　そうか、なら、今から行くか？ 」

「はい！！　(やった！！　お兄ちゃんとデートだ！！)　あ、でも、やりたい事は？」

「あぁ、それは後で大丈夫だよ。なら、する事してくるから、用意しててくれ。」

「はい！！」

　部屋を後にして、ポリーナさんに昨日心配させた事を謝りつつ、昼御飯は外で食べることを伝え顔を洗い寒さを我慢しながら、体を拭いてから着替えを済ませる。
　部屋に戻ると、ソフィアは準備を済ませていた。

「それじゃあ、行こうか？」

「はい！！」

　２人で、外に出る。

「ソフィアは、何か食べたい物あるか？」

「お兄ちゃんとなら、何でも大丈夫です！！」

「そ…　そうか。なら、行こうか？」

「はい！！」

　僕が気になっていたお店にむかう。何でも、昔いた勇者って人が広めたニホンショクとか言う料理を取り扱っているお店だ。噂では、東の国と料理と似たような物らしく、材料を取り寄せているらしい。
　着いた時には、昼時もあってか、かなり人が並んでいた。

「結構並んでいるな…　このお店はやめておくか？」

「大丈夫です！！」

「そうか、なら待ってような。」

「はい！！　お…　お兄ちゃん！！」

「どうした？」

「は…　はぐれたら危ないから、て…　手を繋いでもいいですか？」

「ん、あぁ、いいぞ。」

　並んでいるだけなので、はぐれる事もないと思うけど、拒否する必要もないから手を差し出す。すると、物凄い早さで、握ってくる。

「ありがと、お兄ちゃん！！」

　暫くして、僕たちの順番がやってきた。
　席に案内され、メニュー？というやつを見る。案内してくれた店員が言うには、これに、料理の名前を書いているらしい。名前の下に、簡単な説明文も書かれていた。少し見た後、

「ソフィアは、決まったか？」

「この、テンプラ定食がいいです！！」

「テンプラ定食？」

「これです！！」

メニューの1ヶ所を指差す。説明文を読んでみる。

・ テンプラ定食
東の国・イーストから取り寄せた米やお味噌などを使い作ったご飯とお味噌汁。選りすぐりの野菜のみを揚げて作ったテンプラのセットとなります。

　説明文を読んでみても、半分も理解できない。

「なら、僕は、この、カツ丼とか言うやつにしてみようかな。すみません～！！」

「はい。」

「このテンプラ定食とカツ丼をお願いします。」

「かしこまりました。テンプラ定食とカツ丼ですね。」

　店員に注文してから、ソフィアと話をしながら食べ物が運ばれてくるのを今か今かと待った。