421 / 453
99話・愚図
しおりを挟む
体を起こす前に、すぐ次の衝撃が襲ってきて、吹っ飛ばされてしまう。
そのまま地面を滑るように転がり、何かにぶつかって止まる。
「う…」
確認すると、それはあの男に倒されたサイクロプスだった。
だけど、倒されていたと思ったサイクロプスから、
「Zzzzz… Zzzzz…」
と寝息が聞こえてきた。
一瞬どういう事か理解が追い付かなかったが、理解した瞬間怒りが込み上げてくる。
「!? おい、ふざけるな!! 起きろ愚図!!」
怒りのまま、寝ているサイクロプスを殴り付け、そのまま何度も叩きつける。
すると、
「ゴォ…」
サイクロプスが目を覚ました。
「この愚図が!! 早く起きてあいつを殺せ!!」
目を覚ましたサイクロプスに即命令を下す。
「ゴォ… ゴォォォ!!」
サイクロプスはゆっくり体を起こし、何もせずにこちらを見ている男目掛けて命令通り向かっていく。
私はその間に、殴られたダメージを回復しようとしたのだが、
「よそ見する暇はねぇぞ」
「なっ!!」
近くであの男の声がし、顔をあげた時には、既に蹴りかかってきていた。
「くっ!!」
今度は腕で防御できたが、威力が高くまたしても吹っ飛ばされてしまう。
「クソッ!! あの愚図は何してるんだ!!」
ヒリヒリする腕を振りながら、あの男に向かっていった筈のサイクロプスを見てみる。
「!?」
すると先程同様に倒れていた。
「どうなっている…」
遠目からだが、サイクロプスが負傷している様子はないに思える。
という事は、何かしらの魔道具やあの男のスキルの効果でああなっている可能性が高いだろう。
でもそれなら何故私自身にそれを使ってこないのか疑問に思う。
「…使用する為の条件でもあるのか?」
などと予想を立てるもその答えは分からないし、それ以上考える暇もなく、あの男が迫ってくる。
「チッ…」
ベルトに挟んでいた魔力を流すと爆発する魔道具を数本取り出し、魔力を流してから時間差をつけ投げつける。
ドンッ ドンッ ドンッ
投げつけた魔道具が爆発し、辺りに爆煙が立ち込める。
この爆煙に紛れ、魔法鞄から回復ポーションと先程も使用した低位モンスター召喚・使役の玉を取り出す。
手早く玉を投げ、モンスターを召喚してから男を襲うように命令し、回復ポーションを飲み干す。
そして、召喚したモンスターたちが倒される声を聞きながら、ある事をする為に、サイクロプスの元へと向かっていく。
近くまで来て確認してみると、先程同様に眠っているだけだった。
とりあえずまた殴ってみると、サイクロプスは目を覚ました。
そのまま地面を滑るように転がり、何かにぶつかって止まる。
「う…」
確認すると、それはあの男に倒されたサイクロプスだった。
だけど、倒されていたと思ったサイクロプスから、
「Zzzzz… Zzzzz…」
と寝息が聞こえてきた。
一瞬どういう事か理解が追い付かなかったが、理解した瞬間怒りが込み上げてくる。
「!? おい、ふざけるな!! 起きろ愚図!!」
怒りのまま、寝ているサイクロプスを殴り付け、そのまま何度も叩きつける。
すると、
「ゴォ…」
サイクロプスが目を覚ました。
「この愚図が!! 早く起きてあいつを殺せ!!」
目を覚ましたサイクロプスに即命令を下す。
「ゴォ… ゴォォォ!!」
サイクロプスはゆっくり体を起こし、何もせずにこちらを見ている男目掛けて命令通り向かっていく。
私はその間に、殴られたダメージを回復しようとしたのだが、
「よそ見する暇はねぇぞ」
「なっ!!」
近くであの男の声がし、顔をあげた時には、既に蹴りかかってきていた。
「くっ!!」
今度は腕で防御できたが、威力が高くまたしても吹っ飛ばされてしまう。
「クソッ!! あの愚図は何してるんだ!!」
ヒリヒリする腕を振りながら、あの男に向かっていった筈のサイクロプスを見てみる。
「!?」
すると先程同様に倒れていた。
「どうなっている…」
遠目からだが、サイクロプスが負傷している様子はないに思える。
という事は、何かしらの魔道具やあの男のスキルの効果でああなっている可能性が高いだろう。
でもそれなら何故私自身にそれを使ってこないのか疑問に思う。
「…使用する為の条件でもあるのか?」
などと予想を立てるもその答えは分からないし、それ以上考える暇もなく、あの男が迫ってくる。
「チッ…」
ベルトに挟んでいた魔力を流すと爆発する魔道具を数本取り出し、魔力を流してから時間差をつけ投げつける。
ドンッ ドンッ ドンッ
投げつけた魔道具が爆発し、辺りに爆煙が立ち込める。
この爆煙に紛れ、魔法鞄から回復ポーションと先程も使用した低位モンスター召喚・使役の玉を取り出す。
手早く玉を投げ、モンスターを召喚してから男を襲うように命令し、回復ポーションを飲み干す。
そして、召喚したモンスターたちが倒される声を聞きながら、ある事をする為に、サイクロプスの元へと向かっていく。
近くまで来て確認してみると、先程同様に眠っているだけだった。
とりあえずまた殴ってみると、サイクロプスは目を覚ました。
11
お気に入りに追加
979
あなたにおすすめの小説

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
歌うしか能がないと言われてダンジョン置き去りにされた俺、ギフト『歌声魅了』で魔物を弱体化していた!本来の力が目覚め最強へ至る【精霊王の末裔】
綾森れん
ファンタジー
竜人族の村に先祖返りした姿で生まれたジュキエーレは、生まれてすぐに聖女の加護を受けた。しかし彼はなぜか魔法が使えなかった。
それでも冒険者を夢見て剣の修行に励んだのに、授かったギフトは「歌声魅了」。
戦闘には不向きなギフトと思われていたが、実は人も魔物も操れる最強ギフトだった。
そうとは知らないパーティメンバーは、ジュキエーレを魔力無しの役立たずと思い込んで、ダンジョン内に置き去りにする。
足をすべらせて最下層に落ちたジュキエーレを待っていたのは、半身を氷漬けにされたドラゴンだった。遠い先祖であるドラゴンは、聖女が彼にかけた封印を解いてくれ、先祖返りした彼本来の膨大な精霊力が解放された。
なぜ聖女が自分の力を封じたのか知るため、ジュキエーレは旅立つ。そして聖女について調査するため訪れた隣国で、次期聖女になりたくない公爵令嬢と出会い恋に落ちた。最強の力を得たジュキエーレと、聖女の力を持つ公爵令嬢の幸せな旅が幕を開ける。
※カクヨム様で先行公開しています。
『精霊王の末裔~ギフト【歌声魅了】と先祖の水竜から受け継いだ力で世界を自由に駆け巡る!魔力無しから最強へ至る冒険譚~』
https://kakuyomu.jp/works/16817330649752024100
第8回カクヨムコン参加中ですので、アカウントをお持ちの方は応援お願い致します!!
(★がついているサブタイトルは他者sideです)
2023/1/16 HOTランキング1位、ファンタジーランキング1位、ありがとうございます!!

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜
赤井水
ファンタジー
クロス伯爵家に生まれたケビン・クロス。
神に会った記憶も無く、前世で何故死んだのかもよく分からないが転生した事はわかっていた。
洗礼式で初めて神と話よく分からないが転生させて貰ったのは理解することに。
彼は喜んだ。
この世界で魔法を扱える事に。
同い歳の腹違いの兄を持ち、必死に嫡男から逃れ貴族にならない為なら努力を惜しまない。
理由は簡単だ、魔法が研究出来ないから。
その為には彼は変人と言われようが奇人と言われようが構わない。
ケビンは優秀というレッテルや女性という地雷を踏まぬ様に必死に生活して行くのであった。
ダンス?腹芸?んなもん勉強する位なら魔法を勉強するわ!!と。
「絶対に貴族にはならない!うぉぉぉぉ」
今日も魔法を使います。
※作者嬉し泣きの情報
3/21 11:00
ファンタジー・SFでランキング5位(24hptランキング)
有名作品のすぐ下に自分の作品の名前があるのは不思議な感覚です。
3/21
HOT男性向けランキングで2位に入れました。
TOP10入り!!
4/7
お気に入り登録者様の人数が3000人行きました。
応援ありがとうございます。
皆様のおかげです。
これからも上がる様に頑張ります。
※お気に入り登録者数減り続けてる……がむばるOrz
〜第15回ファンタジー大賞〜
67位でした!!
皆様のおかげですこう言った結果になりました。
5万Ptも貰えたことに感謝します!
改稿中……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )☁︎︎⋆。

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~
黒色の猫
ファンタジー
両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。
冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。
最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。
それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった…
そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。
小説家になろう様でも投稿しています。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる