406 / 453
84話・仕切り直し
しおりを挟む
あいつが手をかざすと、睡眠の霧によって俺への攻撃を阻まれ足元に落ちた短剣があいつの手元に戻っていく。
「へぇ。その短剣は、魔法道具なのか」
「えぇ、そうですよ。そういう貴方も何かしらの道具を使用しているみたいですね」
なまじ俺のスキルと似た感じの道具を使っているからか、どうやら俺も同系統の道具を使っていると勘違いしているようだ。
「それは、想像に任せるよ」
それに答える必要はない為、あえてそう答えておき勘違いさせたまま自分のスキルの詳細について隠しておく。
「そうですか…」
「じゃあ、話もここまでにして続きと行こうか」
俺から情報を得れないと悟ったようで、無言で腰を落とし短剣を構え出す。
俺もそれに習い刀を構える。
「では、行きますよ」
あいつはニヤリと笑った後、わざわざ声をかけてから距離をつめて来る。
その行為を少し不審に思いながらも、俺も動こうとした瞬間、再度あいつは手に持つ短剣を顔目掛けて投げつけてきた。
睡眠の霧でその攻撃じたい当たらないが、先程の不審な行動をとったので、今は少しでもあいつから目を離さないように、顔を横にずらすだけでそれを躱す。
そしてそのまま近寄ってきたあいつに刀を振り下ろそうとしたその瞬間、
「!?」
急に強烈な光が襲ってきて、その痛みで目を閉じてしまう。
ただ目は閉じたが、刀はそのまま振り下ろした。
すると、
パリーン
と結界が壊れる音と共に、切っ先が僅かに何かに触れる感触があった。
ただその感触は本当に僅かだったので、かすっただけで致命傷にはなっていない筈だ。
一瞬身構えたが、俺には睡眠の霧があり、攻撃されても問題ないかと思い直す。
そして、あいつも俺が結界を張っていると思い込んでいるので、あいつの次の手を予想し、攻撃加えるより逃走を選ぶのではと考えた俺は、
「セン!! もしかして、あいつがそっちに逃げるかもしれないから来たら止めてくれ!!」
出口を塞いでいるセンに警戒を促す。
その瞬間、
ドゴーン
と大きな音がなる。
「睡眠」
超回復のスキルを使い、目の回復をしてから、すぐ音のした方を確認すると腕を振り下ろした状態のセンが目に入った。
しかもその腕の下は、真っ赤に染まっていた。
さっと周りを確認してから、
「…腕を上げて体を小さくしてくれ、セン」
センに指示を出す。
小さくなったゴーレム状態のセンの腕には血が付着したままだったが、ぬぐう時間がおしい為、すぐ回収してからアイテムボックスに入れて階段を上っていく。
「へぇ。その短剣は、魔法道具なのか」
「えぇ、そうですよ。そういう貴方も何かしらの道具を使用しているみたいですね」
なまじ俺のスキルと似た感じの道具を使っているからか、どうやら俺も同系統の道具を使っていると勘違いしているようだ。
「それは、想像に任せるよ」
それに答える必要はない為、あえてそう答えておき勘違いさせたまま自分のスキルの詳細について隠しておく。
「そうですか…」
「じゃあ、話もここまでにして続きと行こうか」
俺から情報を得れないと悟ったようで、無言で腰を落とし短剣を構え出す。
俺もそれに習い刀を構える。
「では、行きますよ」
あいつはニヤリと笑った後、わざわざ声をかけてから距離をつめて来る。
その行為を少し不審に思いながらも、俺も動こうとした瞬間、再度あいつは手に持つ短剣を顔目掛けて投げつけてきた。
睡眠の霧でその攻撃じたい当たらないが、先程の不審な行動をとったので、今は少しでもあいつから目を離さないように、顔を横にずらすだけでそれを躱す。
そしてそのまま近寄ってきたあいつに刀を振り下ろそうとしたその瞬間、
「!?」
急に強烈な光が襲ってきて、その痛みで目を閉じてしまう。
ただ目は閉じたが、刀はそのまま振り下ろした。
すると、
パリーン
と結界が壊れる音と共に、切っ先が僅かに何かに触れる感触があった。
ただその感触は本当に僅かだったので、かすっただけで致命傷にはなっていない筈だ。
一瞬身構えたが、俺には睡眠の霧があり、攻撃されても問題ないかと思い直す。
そして、あいつも俺が結界を張っていると思い込んでいるので、あいつの次の手を予想し、攻撃加えるより逃走を選ぶのではと考えた俺は、
「セン!! もしかして、あいつがそっちに逃げるかもしれないから来たら止めてくれ!!」
出口を塞いでいるセンに警戒を促す。
その瞬間、
ドゴーン
と大きな音がなる。
「睡眠」
超回復のスキルを使い、目の回復をしてから、すぐ音のした方を確認すると腕を振り下ろした状態のセンが目に入った。
しかもその腕の下は、真っ赤に染まっていた。
さっと周りを確認してから、
「…腕を上げて体を小さくしてくれ、セン」
センに指示を出す。
小さくなったゴーレム状態のセンの腕には血が付着したままだったが、ぬぐう時間がおしい為、すぐ回収してからアイテムボックスに入れて階段を上っていく。
11
お気に入りに追加
928
あなたにおすすめの小説
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
異世界を【創造】【召喚】【付与】で無双します。
FREE
ファンタジー
ブラック企業へ就職して5年…今日も疲れ果て眠りにつく。
目が醒めるとそこは見慣れた部屋ではなかった。
ふと頭に直接聞こえる声。それに俺は火事で死んだことを伝えられ、異世界に転生できると言われる。
異世界、それは剣と魔法が存在するファンタジーな世界。
これは主人公、タイムが神様から選んだスキルで異世界を自由に生きる物語。
*リメイク作品です。
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる