スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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70話・どうする

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 ギルマスと話をしてから、すぐ皆を連れて、騎士たちの元へ向かう。
 残っている相手は、鬼人の男とフードを被っている2人だけ。

「シエル。それで、どうすりつもりなのかの?」

 駆けながら、マオが尋ねてくる。

「そうね…」

 エペの方は、一応拮抗しているように見えるが、鬼人の方はまだまだ余力を残している感じがする。
 騎士たちの方は、あまりいい状況とはいえない。

「マオは、どうしたらいいと思う?」

「正直どちらもいい状況とは言えないのじゃ。だから、儂たちを二手に分けて応援にいく手と、4人で1人を集中的に叩く手のどちらかがいいと思うのじゃ」

「なる程ね… なら先に、4人でフードを叩くわ」

「分かったのじゃ」 「「分かりました」」

「でもその前に、私は、エペにエリクサーを渡してくるから、3人は、そのままフードの方へ向かって頂戴」

 3人が頷くのを確認し、私は1人エペの方へ向かう。





「はぁ… はぁ… はぁ…」

「おいおい、こんなもんか?」

 フィオーリは、ニヤリと笑みを浮かべながら、そう尋ねてくる。

「はぁ… そんな訳ないでしょ」

 そう言ってみるが、体力はかなり消費している。
 フィオーリの強さは、私を凌駕していると思う。
 だけど、未だ決着がついていないのは、彼が闘いを好む性格だからだろう。

「その粋だ。もっと俺を楽しませてく… ふん!!」

 言葉の途中で突然飛んできた何かをフィオーリは叩き弾く。
 それと同時に、

「エペ、受け取りなさい!!」

 私の方へと飛んできた物をキャッチする。
 それが何なのか察した私は、すぐそれをあおる。
 すると、今までにない程の早さで体力などが全回復する。

「これも受け取っておきなさい!!」

 続けてもう1本同じ物が飛んで来たのでキャッチする。
 シエル様に頭を下げ、それを懐にしまう。

「終わったか?」

 先程同様に笑みを浮かべながら尋ねてくる。

「…わざわざ待ってくれてたんですか?」

「まぁな。こちらとしては、長く楽しめれるからいくらでも回復すればいいさ」

「そうですか。では、遠慮なくそうさせて貰います」

「あぁ。それで、1つ聞きたいんだが、今の女は誰だ?」

「どうしてそんな事を尋ねるんですか?」

「ん? いやなに、まだまだ楽しめそうな奴がいるなと思ってな。それに、今の女お前より強いだろ?」

「さぁ、どうでしょうね」

 言葉を濁すが、フィオーリは、何か確信めいているようにみえる。

「まぁいいさ。お前と楽しんだ後にあの女に相手でもして貰うさ」

「そんな事、私が許すとでも?」

「ふん。なら、俺を倒すんだな!!」

 フィオーリは、そう言ってから私に向けて駆けてくる。
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