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66話・上位種

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 ゴブリンを倒しながら、ラスの様子を伺う。
 動きには、まだ少しぎこちなさが残っているが、それもゴブリンを倒す数が増える度に、その動きも徐々によくなっている。
 あそこまで動けるなら、私がフォローするまでもないと判断した私は、奥から来ているゴブリンに視線を移し、ゴブリンらの様子を伺う。

「上位種? それにしては、どこか様子がおかしい気がするわね…」

 マオたちと一緒に倒した上位種のゴブリンたちと比べ、どこか漂う雰囲気が違う。
 まぁ、明らかにそうであっても、冒険者の中で、私たち以外であれらの相手をするのは難しそうだし、あれらをどうにかしない限り、エペたちの応援に向かう事も出来ないので、どちらにしてもやるしかない。
 ラスにここを任せてから、上位種のゴブリンたちのいる場所へと向かっていく。
 だけど、向こうもすんなり向かわせてくれそうにないようで、上位種のゴブリンたちのいる方角から無数の魔法が飛んでくる。
 魔法を使った者の姿はここからだと少し見えないが、あの中に、魔法を使う事の出来るシャーマンやマジシャン系の上位種のゴブリンがいる可能性が高くなった。それだけでも面倒なのに、今飛んできた魔法は、通常のサイズよりも大きく、その分威力が上がっている事は想像に難くない。
 だから、魔法を躱しながら、念の為に、どのくらい威力が上がっているのか横目で確認する。
 躱した魔法は、敵味方関係なく被弾しており、その威力はざっとだが、倍近く上がっていた。

「やっぱり面倒そうね… 先に倒そうにも、どうやら後ろの方に隠れているみたいね…」

 距離が近くなり、体躯のいい上位種のゴブリンたちの後ろに、隠れるように杖を装備している小柄なゴブリンたちの姿を見つけた。
 しかも、更に厄介な事に、最後尾には、ゴブリンヒーラーらしき上位種のゴブリンの姿も確認出来た。

「よし… あれをやってみましょうか…」

 光魔法での一掃も頭をよぎったが、普段なら出来る事も、あの分だと耐久力も上がってそうだから、無駄な魔力消費をしない為に、その選択肢を除外する。

「「「グギャ!!」」」

 私が何かやる事を察したようで、魔法が飛んでくる中、体躯のいい上位種のゴブリンの一部が襲いかかってくる。

「■■■■」

 最近練習している魔法の詠唱をしながら、魔法や体躯のいい上位種のゴブリンたちの攻撃を躱す。
 詠唱を終えたので、目の前にいた体躯のいい上位種のゴブリンを蹴り飛ばし、少し距離をとり、

「ライトニングブースト!!」

 魔法名を唱える。
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