スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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53話・ゾンビ

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 シエルたちと別れた俺は、あいつの捜索を再開する。   
 とりあえず、あいつの目的がオークションの品だと仮定し、オークションの品が保管されている場所へと急いで向かう。
 その途中で、

「キャーーーーー!!」

 路地裏の方から誰かの悲鳴が聞こえてきた。

「チッ…」

 俺は体の向きをかえてから、路地裏へと向かう。
 路地裏に入ると、襲われている人がいた。
 こんな時に何やってんだと呆れながら、襲っている人たちを蹴り飛ばす。

「大丈夫か?」

「あ… ありがとうございます」

「それで、何があったんだ?」

 助けた女性に手を貸しながら、何があったのかを尋ねる。

「それが、突然あの男性たちが襲ってきて、私も何が何だか分かんないんです」

「そうか。ん? 服に血がついているけど、もしかして怪我しているのか?」

 女性が着ている服には、びっしりと血がついていた。

「え、血ですか? あれ、本当に服に血がついてる!!」

 女性は、自分の服についてある血を見て驚く。

「なら、貴方は怪我してないんだな?」

「え、あ、はい。私はどこも怪我はしていないです」

「そうか。なら、あいつらの血か?」

 蹴り飛ばした奴らをよく見てみると、全員が胸の辺りが真っ赤に染まっていた。

「あれの血か? どうなっているんだ?」

 確かに今蹴りはしたが、手加減はしたし、普通蹴っただけで胸からあんなに血が出る筈がない。
 何か嫌な感じがし、すぐ女性をここから逃がそうとした瞬間、

「「「「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ」」」」

 変な呻き声をあげながら、蹴った奴らが起き上がってきた。

「ひっ…」

 起き上がった奴らの顔からは生気を感じられず、それを見た隣の女性から、小さな悲鳴が漏れる。

「あれって…」

 ある考えに至った俺は、アイテムボックスから鑑定のモノクルを取り出しては素早く相手を鑑定する。

「やっぱりか…」

 鑑定した結果、奴らは皆、ゾンビとなっていた。
 起き上がったゾンビたちは、ゆっくりとではあるが俺たちの方へと近づいてきていた。
 青ざめた顔の女性に、目の前の奴らがモンスターである事を伝える。

「ど… どうしてモンスターが王都の中に…」

「それは分からないけど、とりあえず、あいつらの相手は俺がするから、貴方はここにモンスターがいる事を衛兵か誰かに知らせに行ってくれないか?」

 ここにゾンビがいる理由も何となく予想出来るが、わざわざ教える必要もないし、手早くあいつらを倒してから捜索に行きたいので、誰かに知らせるのを頼むと、

「わ… 分かりました」

 女性はそれを了承してくれる。
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