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52話・緊急クエスト

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 冒険者ギルドには、冒険者が溢れていた。
 それを見たシェーンから、どうするのか尋ねられた為、少し考えた結果、待つ事にした。
 その為、人混みに揉まれないように、場所を移動しておく。
 そして、少ししたら、慌ただしくギルドの扉が開き、息も絶え絶えの男が入ってきた。
 その男性は、ギルド職員と共に奥へと入っていき、別の大柄の男性と共に出てきた。

「ラスちゃん、あの大きな体の男性の方が、この冒険者ギルドのギルドマスターですよ」

「あ、やっぱり、そうなんですね」

 隣で、シェーンがラスにギルドマスターについて教えていた。

「私は、ここの冒険者ギルドのギルドマスターのベアだ。今、ギルドの斥候が得た情報を開示する!!」

 軽く自己紹介した後に、ギルドが掴んだ情報を開示する。

「千数百のゴブリン… そして、それを指揮する鬼人族の男… ねぇ、マオ。鬼人族って事は、セウンが教えてくれた情報のあいつだよね?」

 情報を聞いたシエルが小声で儂に話しかけてくる。

「そうじゃな。たぶん、四魔将の1人じゃろうな。それに、セウンが見た人物も四魔将の1人みたいじゃし、たぶん鬼人族の男の方は陽動で、目的はオークションの可能性が高いじゃろうな」

「やっぱり、そうよね。ねぇ、この事をギルドに報告しておいた方がいいのかな?」

「…いや止めておくのじゃ」

「どうして?」

「多すぎる情報は、時に混乱をもたらすからじゃ。じゃからギルドには、ゴブリンの襲撃に専念して貰うのじゃ」

「なる程ね。それで、私たちはどうするの? セウンと合流する?」

「いや、儂たちならそれは無理じゃろうな。出来るとして、遠話をして、今聞いた情報を共有しておくくらいじゃな」

 そう言いながら、儂はギルドマスターを指差す。

「ん? それってどういう…」

「それで、今回のモンスターの襲撃については、緊急クエストとさせて貰う。その為、D級以上の冒険者は強制参加だ。また、それ以下の冒険者であっても、やる事は色々ある為是非クエストを受けてくれ。因みに、参加するだけで、一定の報酬を支払うから安心してくれ。それじゃあ、今から受付を開始するから、受付を済ませた者からすぐに門の方へむかってくれ!!」

 そうギルドマスターが話終えると周りの冒険者たちも慌ただしく動き始める。

「あぁ、そういう事ね」

「そう言う事じゃ。だから、むこうはセウンに任せて、儂たちは、鬼人族の男の方をどうにかするのじゃ」

「そうね。なら、先にセウンと情報の共有してから、緊急クエストを受けましょうか」

「そうじゃな」

 とりあえず、邪魔にならない場所で、セウンに遠話する。
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