スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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50話・やっと

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 少しくらい騒ぎを起こしても、問題ないと判断したので、周りの人族たちゴミ共を片付ける。

「いらぬ時間を取られてしまいましたね。まぁでも、いい死体が手に入った事ですし、有効活用しましょうかね」

 こいつらを使って、街中でも騒ぎを起こす事を考え付いた。
 短剣の血糊を落とし、これを有効活用する為に必要な魔道具を取り出す。
 そして、周りを警戒しつつ、それらを使用していく。

「あまり時間をかけ過ぎる訳にもいかないから、こんなものが限界ですね…」

 死したむくろから完成したそれらは、

「「「「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ」」」」

 理解できない声を発しながら立ち上がる。

「まぁ騒ぎを起こすだけなら、これで充分でしょう」

 今だうめくそれらに、

「このまま進んで、目につく人を襲いなさい」

 簡単な指示を出す。
 すると、指示を受けたそれらは、呻きながら私が進む予定とは逆方向へと、ノロノロと歩き出す。
 それを目で追い、大丈夫そうである事を確認してから、私も歩き出そうとした所で、

 カーンカーンカーン

 鐘を打ち鳴らされる音が響いた。

「どうやら来たみたいですね」

 フィオーリさんの率いるモンスターの群れがやって来た合図だろう。

「さて、私も少し急ぎましょうかね」

 駆け足で、先へと進む。





 ~フィオーリ視点~

 カローの合図が来るまで暇なので、

 ゴクゴクゴク

「ふはぁ…」

 持参した酒で喉を潤す。

「ん? チッ… 何だもう無くなったのか」

 空き瓶を放り投げ、次の酒へと手を伸ばそうとした所で、カローから連絡が入る。

「お、やっとか。確かここだったか?」

 魔道具を起動させると、カローの声が聞こえ出す。
 これ以上待っているのも面倒臭くなったので、カローの出発してと言う言葉を聞いた時点で話を遮る。

 バキッ

「ん? なんだ、壊れたのか」

 魔道具を止めようとしたつもりだったのだが、やっとかと気持ちが昂っていたせいで、つい力が入り過ぎて壊してしまった。

「まぁいい。さてと、行くか」

 壊れた魔道具も、そこら辺に捨ててから出発する。
 俺が動き始めると、周りにいたモンスターとカローのおもちゃも動き出す。





 ~とある衛兵視点~

「ふぁ…」

 欠伸が溢れる。

「おいおい、気を抜きすぎだぞ」

 欠伸を同僚に見られたせいか、注意を受ける。

「ん? 悪い悪い。まだ眠くてな」

「はぁ… まぁ、分からなくもないが、仕事なんだから、シャキッとしろよ」

「分かってるよ」

 軽く頬を叩き、眠気を覚ます。
 そして、周りを見渡し、異常がないか確認する。
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