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47話・突然の出来事
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「探すだけなら問題ないのじゃが、こっちから危害を加えた場合、こっちが悪くなってしまうのじゃ」
「あー、確かにそうだな」
マオからそう言われ、その事について完全に失念していた事に気づく。
「やっぱり忘れておったか」
「あぁ。マオが言ってくれなかったら、俺がお縄につくとこだったよ。ありがとう、マオ」
「別に構わないのじゃ。それで、それを聞いて、セウンは、どうするつもりなんじゃ?」
「そうだな…」
少し思案し、
「見つけしだいボコるのは、とりあえず止めておこうと思うよ。ただ、普通にオークションに参加するにせよ、別の目的があるにせよ、居場所くらい把握しておきたいから、やっぱり探そうと思う」
そう決断する。
「分かったのじゃ。それじゃあ、誰がどこを見て回るか決め…」
カーンカーン
マオの言葉を遮るように、鐘の音が響く。
「ん? この鐘の音って、何だっけ?」
知っていそうな3人に聞いてみると、3人は、少し驚いているように見えた。
「どうかしたのか?」
少し気を引き締めながら尋ねると、
「この鐘の音は、王都へとモンスターが迫ってくる時に鳴らす鐘の音よ」
シエルが答えてくれる。
「モンスターが?」
それを聞いた瞬間、ふと気になる事があった。
「俺がここに来てから、そんな事は一切起きた事がないのだが、モンスターの襲撃はよく起きるのか?」
「いや、ないわね」
「そうか… なら、この件にあいつが関わっていると思うのは俺だけか?」
「ないとは言いきれないわね」
「だよな」
ラスは、何が何やら分かっていない様子だが、残りの2人を見ると、首を縦に振っていたので、同じ考えだろう。
「それで、この後はどう動くの?」
「そうだな。まずは、ギルドに行ってから情報を貰うのがいいだろうな」
無闇に動くのではなく、まずは情報を仕入れるのが一番だろう。
「そうね、私もそれがいいと思うわ」
「なら、ギルドへ… 「…少し待ってほしいのじゃ」」
行こうかと言う前に、マオから待ったがかかる。
「ん? どうかしたのか、マオ?」
「ギルドには、儂らだけで行くから、セウンは、このままあいつを探してくれないかの?」
「あいつをか?」
「そうじゃ。セウンの言う通り、今回のモンスター襲撃が魔神教団の手によるものなら、モンスター襲撃が囮とは考えなれないかの?」
「なる程な…」
マオの言う通り、あいつがこの間に何かをやらかす可能性は高い。
「分かった。なら、俺はこのままあいつを探すから、そっちは任せていいか?」
「任せるのじゃ」
「そういう事なら任せて」
「任せて下さい」
「が… 頑張ります」
「なら、任せた。何かあったら、遠話してきてくれ」
そう言った後、シエルたちと別れて、俺はあいつの捜索を始めた。
「あー、確かにそうだな」
マオからそう言われ、その事について完全に失念していた事に気づく。
「やっぱり忘れておったか」
「あぁ。マオが言ってくれなかったら、俺がお縄につくとこだったよ。ありがとう、マオ」
「別に構わないのじゃ。それで、それを聞いて、セウンは、どうするつもりなんじゃ?」
「そうだな…」
少し思案し、
「見つけしだいボコるのは、とりあえず止めておこうと思うよ。ただ、普通にオークションに参加するにせよ、別の目的があるにせよ、居場所くらい把握しておきたいから、やっぱり探そうと思う」
そう決断する。
「分かったのじゃ。それじゃあ、誰がどこを見て回るか決め…」
カーンカーン
マオの言葉を遮るように、鐘の音が響く。
「ん? この鐘の音って、何だっけ?」
知っていそうな3人に聞いてみると、3人は、少し驚いているように見えた。
「どうかしたのか?」
少し気を引き締めながら尋ねると、
「この鐘の音は、王都へとモンスターが迫ってくる時に鳴らす鐘の音よ」
シエルが答えてくれる。
「モンスターが?」
それを聞いた瞬間、ふと気になる事があった。
「俺がここに来てから、そんな事は一切起きた事がないのだが、モンスターの襲撃はよく起きるのか?」
「いや、ないわね」
「そうか… なら、この件にあいつが関わっていると思うのは俺だけか?」
「ないとは言いきれないわね」
「だよな」
ラスは、何が何やら分かっていない様子だが、残りの2人を見ると、首を縦に振っていたので、同じ考えだろう。
「それで、この後はどう動くの?」
「そうだな。まずは、ギルドに行ってから情報を貰うのがいいだろうな」
無闇に動くのではなく、まずは情報を仕入れるのが一番だろう。
「そうね、私もそれがいいと思うわ」
「なら、ギルドへ… 「…少し待ってほしいのじゃ」」
行こうかと言う前に、マオから待ったがかかる。
「ん? どうかしたのか、マオ?」
「ギルドには、儂らだけで行くから、セウンは、このままあいつを探してくれないかの?」
「あいつをか?」
「そうじゃ。セウンの言う通り、今回のモンスター襲撃が魔神教団の手によるものなら、モンスター襲撃が囮とは考えなれないかの?」
「なる程な…」
マオの言う通り、あいつがこの間に何かをやらかす可能性は高い。
「分かった。なら、俺はこのままあいつを探すから、そっちは任せていいか?」
「任せるのじゃ」
「そういう事なら任せて」
「任せて下さい」
「が… 頑張ります」
「なら、任せた。何かあったら、遠話してきてくれ」
そう言った後、シエルたちと別れて、俺はあいつの捜索を始めた。
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