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45話・覚悟の上

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 皆がここに集まる間、もう一度あいつの事について何か知らないか話を聞いて回った。
 だが、結局何の成果もあげられず、そうこうしている内に、

「お、いたのじゃ」

 聞きた事のある声がした。
 その方を向いてみるとマオとラスが小走りで、こっちにやって来ていた。

「待たせたのじゃ」

「お待たせしました、セウンさん」

「いや、集まるように提案したのは俺だし、それは全然構わないよ」

「それなら良かったのじゃ。それで、シエルたちはやっぱりまだ来てないのかの?」

「あぁ、まだだな」

 マオたちの方が近かったみたいだから、必然的にそうなってしまうだろう。

「まぁでも、もう少ししたら来るんじゃないか?」

「そうじゃな。なら、あっちの方で待つとしようかの」

「そうだな」

 入り口近くのすぐ目につく場所に移動し、そこでシエルたちが来るのを待つ事にした。





 場所を移動して、マオについて来ていたラスに話しかける。

「そう言えば、今日はシエルたちと訓練する予定だったんだろ? 何か変な事に巻き込んでしまったみたいで何だか悪いな、ラス」

「いえ、気にしないで下さい。訓練はいつでも出来ますから」

「そうか。そう言って貰えると助かるよ。でも、どうしてラスはついてきたんだ?」

 正直なところ、ラスまで同行していると思っていなかった為、聞いてみる。

「え!! ご迷惑でしたか?」

「あ、いや、そう言う訳じゃないぞ」

「そうですか。なら、どういう事ですか?」

「いやな。今回探している奴は、危険人物だからな。もしかしたら、自分の身に危険が及ぶかもしれないから、少し気になってな」

「その事ですか。それなら覚悟の上です。ここでは、たくさんの人たちにお世話になってます。だから、そんな危ない人が何をしに来たのかは分かりませんが、もし私がお世話になった人たちに危害を加えるというのなら、未然に防ぎたいですし、少しでも皆さんの役にも立ちたかったんです。だから、セウンさん。私も捜索に加わらせてくれませんか?」

 ラスの気持ちは伝わった。

「そうか。覚悟があるなら、俺からこれ以上言う事はないよ。それに、捜索については、逆にこっちからお願いしたいくらいだよ。だから、ラス。そいつを探すのをお願いしてもいいか?」

「はい。任せて下さい!!」

「ありがとう。でも、本当に気を付けてくれよ」

「はい!!」

「セウンよ。そこは儂らもついているのだから、安心するのじゃ」

「…そうだな」

 少し心配な所がない訳ではないが、マオたちの実力は申し分ないし、あいつがどの程度の力を持っているのか分からないが、そうおくれを取る事はないだろう。
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