スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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40話・考えの差

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 私が想定した通り、お父さんは、捜索に人数を割く事は出来ないと答え、その理由も口にした。

「でも、お父さん。何かあった後じゃ遅いんじゃないの?」

 理由は理解できるが、それだと後手に回ってしまうのではと聞いてみる。

「まぁ、確かにシエルの言うのも一理あるな」

「なら、やっぱり捜索に人を割いた方がいいんじゃないの?」

「それは…「それは違うわよ、シエル。逆よ逆」」

 お父さんの言葉に被せるように、お母さんが先に答える。

「え、逆? えっと、どういう事なの、お母さん?」

 逆と言われ何が逆なのか分からず、聞き返す。

「簡単な事よ。何かある前に人を動かすのではなく、あった後に動かした方が、迅速に対応が出来るって訳よ」

「!?」

 お母さんの話を聞き、そうなのと意味を込めた視線をお父さんに向ける。

「(私がシエルに教えようかと思ったのに… おっと) エリーの言う通りだよ、シエル。未然に起こる出来事を防ぐのも大切な事だが、だけど、何かが起こると分かっていても、それを完全に防ぐのは難しいと思わないか?」

 少し考え、首を縦に降る。

「それに、今回に至っては、何かが起こると想定した場合、それを防ぐ為には、まず危険人物を探す事から始める。それで、その危険人物を探す為の情報として、似顔絵などはあるのか?」

「え!? いや、ないと思う…」

「なら、その人物を探す手がかりは、シエルが言っていたセウンとやらの憎たらしい小僧の証言だけとなる。それだと尚更探すのは難しい。それに、その証言、例えば服装や髪型・体型などを元に捜索をする。だけど、その人物が服や髪型を変えたり、着替えた服で体型が隠した場合はどうなると思う?」

「えっと、探すのがもっと難しくなるかな…」

「そう、その通り。流石はシエルだ。だから捜索は、少人数で行い、エリーが言ったように、何かあった際に、すぐ人を動かせるように準備した方が、結果的に問題解決の近道になるんだよ」

「そっか…」

 そこまで言われ、私が報告したとしても、単純に情報の信用性がないから捜索に人を出せないと考えていたので、自分の考えが浅かった事を理解させられた。

「それで、こっちは何か起こると想定して準備を進めておくとして、シエルはどうするつもりなの?」

「え、私? 私はこの後、シェーンと一緒に捜索をするつもりよ」

「ま、シエルならそうすると思ったけど、ちゃんと気を付けなさいよ。シェーンちゃんもね」

「うん、ありがとうお母さん」

「ありがとうございます、エリー様」

「じゃあ、行ってくるね」

 私は、シェーンの手をとり部屋を後にした。
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