スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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20話・面倒

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 毒液や消化液は睡眠の霧で防ぎ、魔法は、先程武具覚醒をした刀で斬っていく。
 近づくにつれて、今度は触手での物理攻撃までしてくるので、それについては躱して、ビックスライムの目の前までやって来た。

「今度は、こっちから行くぞ」

 向こうから仲間になりたさそうにこちらをみてくる望みに賭けて、弱らせる為に刀を振るう。
 ビックスライムも俺に対し、攻撃を続けながら、斬られる箇所を硬化させ抵抗してくる。
 その状況が少し続き、俺は1度距離をとる。

「弱っているのか?」

 斬るごとに、ビックスライムの体積が飛び散り減ってはいくが、その飛び散った物を触手を伸ばし吸収していく。
 しかも、吸収する際は、動きが緩慢かんまんになっていると思ったのだが、吸収する度に、その動きも良くなってきていた。

「…少し面倒だな」

 チラッとラスを確認する。

「仕方ない、今回は諦めるか…」

 俺1人なら、このままとことん続けてもよかったが、戦闘で疲れたラスに、これ以上警戒させ気を張らさせ続けるのも酷だと思った為、ビックスライムのテイムを諦める事にした。

「そうと決まれば…」

 先程のように近づいていき、今度は弱らせるのではなく、倒すように刀を振るう。
 最初は、硬化したり核を動かして、俺の振るう刀に抵抗してきていたが、最後には、間に合わずに核を斬られ倒された。

「終わったんですか、セウンさん?」

 離れて見ていたラスから声をかけられる。

「分からない。こいつは倒したと思うが、次が来ないとは限らないからな。もう少しだけ警戒していてくれ」

「わ… 分かりました!!」

 俺も警戒しながら様子を伺うが、何も起こる様子はなかった。

「どうやら終わりみたいだな…」

 刀を鞘に戻し、ラスの元に戻る。

「今度こそ終わったんですか、セウンさん?」

「何も起こらない所をみるとたぶんな」

「そうですか… わ!!」

「おっと。大丈夫か、ラス?」

 安心したせいか、それとも疲れが足にきたのか、ふらついたラスを支える。

「す… すみません、セウンさん」

「いや、気にしなくてもいいよ。とりあえず、俺も疲れたし、少し休憩しようか?」

「はい」

 その場に座り込み、アイテムボックスから軽食を取り出して食べてから、ラスに少し横になるよう伝える。
 最初は遠慮していたが、無理にでも横にならせ、少ししたら寝息が聞こえてきた。

「寝たみたいだな…」

 寝たのを確認し、俺はその間に、ある事に使えるかなとビックスライムの素材を回収する。
 量が多く、かなり面倒だったが、全て回収し終えた。
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