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特別閑話・くりすます 10

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 やる事を終わらせたマオは、手持ち無沙汰になったので、シエルと一緒に子供たちの相手をして貰っていた。

「そっちもね。それで、シェーン。マオをお願い」

「はい、任せて下さい。じゃあ、マオさん、いきますね」

「頼むのじゃ」

 シェーンがマオに、回復魔法を使い、肩を借りていたマオが元気になる。

「シェーン、ありがとうなのじゃ」

「いえいえ、回復して良かったです。それじゃあ、私は、フィアンマ様を呼びに行ってきますね」

「あぁ、頼む」

 フィア婆様も、本来なら料理を手伝う予定だったのたが、どうやら書かないといけない書類を書かずに貯めていたみたいで、現在進行形で、それらを終わらせていた。
 俺や子供たちが座った所で、フィア婆様を連れたシェーンが戻ってきた。

「待たせたね。それと、セウンたちも、色々任せて悪かったね」

 入ってきて早々、フィア婆様が謝ってくる。

「いえ、気にしないで下さい。それより、子供たちもそろそろ我慢の限界を超えそうなので、フィア婆様も座って下さい」

「おっと、そうだね」

 皆が座り、食事が始まる。
 自画自賛になってしまうが、料理はかなり美味く、子供たちだけでなく、シエルたち皆も喜んで食べてくれていた。

「そう言えば、フィア婆様。書かないといけない書類は書き終わったんですか?」

 食休めをしながら、フィア婆様に話を聞く。

「いや、まだ終わってないよ。後少しだけ残ってるね」

 結構書く時間はあったと思ったのだが、まだ終わってないようだった。

「…そんなに貯めてたんですか?」

「いや、枚数じたいは、そこそこだったんだけど、料理のいい匂いで、集中できなくてね、終わらなかっただけだよ」

「何やってるんですか…」

 仕様もない理由で、呆れてしまう。
 そして、その後、パーティーは、恙無つつがなく終了し、満腹になった子供たちは、寝てしまった為、シエルが買ったプレゼント類は、シビルさんに預け、後で渡して貰う事となった。
 そして、片付けを済ませ、帰る前に、

「2人とも、お世話になりました」

 フィア婆様とシビルさんの2人に挨拶をする。

「何言ってんだい。世話になったのは、こっちの方さ。来年も、仲良くしておくれ」

「はい。こちらこそ、お願いします。あ、後これよかったらどうぞ」

 昨日買っておいた品を手渡す。

「お、料理もそうだったけど、わざわざ悪いね」

「いえ、気にしないで下さい。じゃあ、俺たちはこれで失礼しますね」

「あぁ、気をつけて帰るんだよ」

「はい」

 俺たちは、孤児院を後にする。
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