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特別閑話・くりすます 3

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 コカトリスは、叫びながら接近してきて、鶏顔を後ろに反らし、勢いをつけ、俺めがけてくちばしを振り下ろし、攻撃してきた。
 俺はそれを躱す事なく、いつものように、睡眠の霧に阻まれると思い、降りきった首を切り落とそうと刀を構える。
 そして、振り下ろされたくちばしは、睡眠の霧に阻まれたので、予定どおり、隙だらけの首めがけて刀を振りながら走り抜ける。

 ドチャ

 丁度、走り抜けた所で、コカトリスの首が落ちる。

「よし、一丁上がりだな」

 横目で、コカトリスが死んでいる事を確認し、刀を鞘へ納めようとした所で、左肩に少し違和感を覚えた。
 左肩を見ると、徐々に石化してきていた。

「!?」

 目を見開き、驚きながらも、すぐアイテムボックスからエリクサーを取り出し、半分を石化してきている部分に振りかけ、残りの半分を飲み干す。
 すると、石化部分が徐々に回復する。

「ふぅ…」

 肩を動かし、違和感が無くなったのを確認し、完全に回復したと判断する。
 とりあえず、コカトリスからのアイテムをアイテムボックスにいれてから、どうして石化したのか、先程の行動を振り返りながら考える。

「もしかして…」

 少しして、ある仮説が思い浮かんだ。
 仮説の検証は、シエルたちと合流した後するとして、もう1つ回収するべき物を探し出す。
 目的の物は、すぐ見つかったので、それを回収していると、気配感知に複数の気配を感知する。

「「コケェェェェェェェェェェ!!」」

 感知した方へ視線をむけると、コカトリスから逃げている冒険者たちを発見する。
 しかも、その冒険者たちは、俺の方にむかって来ていた。

「お前もすぐ逃げろ!!」

 逃げている冒険者も、俺の存在に気づいたようで、逃げるよう叫ぶ。
 その行為で、俺になすりつけようとする悪意ある冒険者じゃないようなので、助ける事にした。

眠れる力ソーン・能力向上」

 とりあえず2倍まで能力値を引き上げ、瞬動術で冒険者たちの横を通りすぎ、コカトリスの横っ面を蹴り飛ばす。
 この間に、冒険者たちが逃げるのかと思ったのだが、呆然ぼうぜんとこっちを見ていたので、このままいられても邪魔だし、コカトリスの相手は俺がすることを伝え、早く逃げるよう話す。
 冒険者たちは、感謝の言葉を述べてから、すぐこの場を離れていった。
 それを横目でチラッと見て、起き上がったコカトリスに視線を戻す。

「「コケェェェェ!!」」

 起き上がったコカトリスは、怒気を帯びた様子で、叫んできた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者より

 セウンの能力を一部訂正しました。
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