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17話・セウンの成長

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 毒液や魔法を受けながら、1匹目の上位種スライムを倒す。
 倒したのはいいが、未だ飛んでくる魔法などが視界を遮り邪魔になり、これがいつラスに向くかも変わらない為、早々にけりをつける事にする。

眠れる力ソーン・能力向上」

 まずは、自身の能力値を2倍まで上げ、

眠れる力ソーン・武具覚醒」

 続けて、武器の強化に移る。
 覚醒したばかりの時と比べ、俺も成長している為、2本同時に強化するイメージをし、

粘体生物スライムキラー、切れ味強化」

 覚醒を行う。
 今のところ、成功確率は、大体80%程だが、今回は、2本とも淡く光だし、しっかりと武具覚醒に成功したのを確認する。
 巨大化したスライムは未だ動く気配がない為、このまま上位種スライム狩りから始めていく。
 半分程倒した所で、能力向上していた為か、ラスの独り言が聞こえてきた。
 上位種スライムを相手にしながら、チラッとラスの様子を伺うと、少し落ち込んでいるように見えたが、すぐ自分を鼓舞し、気持ちを切り替えているようだった。
 だけど、気持ちを切り替えたといっても、聞こえてきた内容から、何となくラスが思っている事を察し、後々1人になった時に更に落ち込まないように、どうすればいいかと思考を巡らす。
 ある名案を思い付き、丁度近くにいた上位種スライムの1匹を刀の腹で払うように叩き、ラスの近くに飛ばしながら、ラスに声をかける。
 思った通り、いい案だったのか、ラスから返ってきた声からは、力強さが伺えた。

「ラス。そのスライムは、ポイズンスライムだ。その名の通り、体は毒で出来ていて、毒液を飛ばしてくるから気を付けてくれ!!」

 ポイズンスライムの注意点を手短に説明する。

「はい、分かりました!!」

「じゃあ、そいつは任せたぞ、ラス!!」

「はい!!」

 これで、少しでもやる気というか、自身を取り戻してくれればと思いつつ、一応何かあってもいいように、ラスの事を気に止めつつ、残りの上位種スライムを相手していく。

「これで最後と」

 上位種スライムの最後の1匹を倒し、チラッとラスの様子を見てみると、善戦しているようにみえた。

「頑張れ、ラス」

 小さくそう呟き、ラスに対し下手に口を挟まず、次の相手である巨大化したスライムに視線を戻す。
 だけど、未だ巨大化したスライムは動く気配がない。

「いったい何がしたい… ん?」

 巨大化したスライムをよく見てみると、何だか最初より大きくなっているように見える。
 それに、ふとそれ以外にも違和感を抱く。

「なんだ…」

 その違和感の正体を探す為、巨大化したスライム嵩でなく、辺りをよく観察すると、その正体に気づいた。
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