スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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9話・部屋

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 転んでしまったラスのもとに駆け寄って手を差し出し、ラスの手をとり、立ち上がらせ、転んだ時に怪我してないか確認する。

「どこか怪我したりしてないか?」

 ラスが遠慮して嘘をつく可能性を考慮し、ジィーとラスの目を見ながら聞く。

「あの… その… だ… 大丈夫です…」

 そう言いながらも、ラスは目を反らしたので、

「本当か?」

 再度確認する。

「は… はい。ほら、この通り」

 ラスは、その場で軽くジャンプしたり、クルッとターンしたりして、大丈夫な事をアピールする。

「そうか。なら、良かったよ。まぁでも、休憩もとってなかったし、一応少し休んでから戻ろうか?」

「そ… そうですねって、あれ?」

「ん? どうかしたか? やっぱり、怪我してたのか?」

「あ、いえ、そうじゃなくて、スライムゼリーの入った瓶とスプーンがなくて…」

「あぁ」

 言われてみれば、ないなと思い、2人でキョロキョロすると、

「あ、ありました」 「あった」

 と丁度2人の声が重なり、あった方を指差す。

「「ん?」」

 だけど、2人は別々の方を指差していたので、顔を見合わせる。
 だけど、その理由はすぐに判明した。
 ラスは瓶を、俺が逆側でスプーンを見つけただけだった。
 2つとも壁側まで転がっていたので、とりあえず、見つけた方を回収する為に、歩き出す。

「うおっ!!」 「きゃっ!!」

 壁側に近寄った際、急に床の一部が沈み込んだので、声が出ると同時に、反対の方でも声がした。
 俺は、咄嗟に沈んだ足をあげてから振り返り、スプーンを無視して、ラスのもとへ駆け寄る。

「大丈夫か、ラス?」

 またしても転んでいたラスに手を貸しつつ、何が起こってもいいように身構える。
 すると、

 ゴゴゴゴゴゴゴッ

 と、何がずれる音がし、その方向を見てみると、
 行き止まりだった壁の先が出現していた。

「セウンさん、あれって?」

「…あぁ、たぶん、隠し部屋って奴だと思う」

 ラスも気付いているであろう事を口にする。

「ですよね。て事は、今踏んだ床のせいですかね?」

「それしか考えられないな」

「どうしますか?」

「どうしようかね…」

 一人だったら、何も考えずに即突入するけど、今はラスもいる事だし、

「ラスは、どうしたい?」

 ラスにも聞いてみる。

「やっぱり行きたい気持ちもありますが、そもそも隠し部屋って安全なんですか?」

「俺も、初めてだから、本で読んだ知識になるけど、隠し部屋と言っても、宝箱だけが置いてある宝部屋やモンスターが湧いて来るだけのモンスターハウスなど色々あって、正直中に入らない限り分からないな」

 と、俺の知っている事をラスに教える。
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