スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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117話・自己紹介

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 シュテンさんは音もなく立ち上がり、そのまま近くの戸に近づき、一気にその戸を開けた。
 すると、

「わぁ!!」

 中へと誰が倒れこんできた。
 その人を、よく見ると私と同じ女性の鬼人族だった。
 パッと見、小さくて可愛い印象が強いが、ここにいる鬼人族って事は、もしかして、配下召喚の誰かなのかなと思っていた所で、その子は、シュテンさんと話だした。
 シュテンさんは、その人の事を、茨と呼んでいたので、茨木童子ではないかと当たりをつける。
 そして、どうしてこの人がここにいるのか詳しく話を聞く為か、座るように促された茨さんは、何故かニコニコしながら、私の隣に座り込んだ。
 てっきり、シュテンさんの隣に座るものだと思っていたので、内心では何で!! という気持ちが占める。

「はぁ… すみません、ラス君。茨はそこでもいいですか?」

 すると、申し訳なさそうに、シュテンさんがそう言ってくる。

「え、あ、はい。大丈夫です」

 確かに驚きはしたが、別に何かされている訳ではないため、そう返事しておく。

「ありがとうございます。それじゃあ茨、貴方の話を聞く前に、ラス君に自己紹介してあげなさい」

「え!! いいんですか!!」

 何故か、茨さんは、目を輝かせる。

「ここまできたら、仕方ないですからね。ですが、出来る限り手短にして下さいね」

「はい!!」

 そう返事した瞬間に、バッと私の方を向く。
 その行動に、ビクッとしながらも、私は、茨さんの自己紹介を待つ。

「えっと… 私は、茨木童子って言います。一応、お師匠様の一番弟子になります。ラスの事を鏡で観てから、ラスの力になろうと思ってました。よろしくお願いします!!」

 先程同様に、茨さんは、目を輝かせながらまくし立てるように自己紹介をしてくる。
 それを聞き、鏡で観られたかぁとか、何で力になってくれるんだろうなとか疑問もあったが、

「あ、えっと、私は、ラスと言います。茨さんみたいな可愛い人が力になってくれるんなら心強いです。まだまだ何も出来なくて弱いですが、よろしくお願いします」

 私も、自己紹介する。

「うん、宜しく!!」

 茨さんは、そう返事しながら、ギュッと私の事を抱き締めてくる。

「ぐうぇ!!」

 だけど、茨さんの力は思ったよりも強く、変な声が出てしまう。
 声が出せず、パンパンパンと茨さんの肩を叩き、離してくれるように合図を出す。
 だけど、茨さんは、何を勘違いしたのか、更に抱き締めてくる力が強くなり、何処からともなくミシミシと骨のきしむ音が聞こえてきた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者より

 今更ですが、茨木童子は、簡単にいえば、ロリッ娘の鬼人です。
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