スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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115話・喜んだのも束の間

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 シェーンさんたちを見送った後、私も孤児院の部屋へと戻っていった。
 部屋に戻り、貰った物をすぐに取れるようにベッド近くに置き、私は、ベッド上で横になる。
 確か、鬼神化を使ったら、シュテンさんに伝わると言っていたから、このまま鬼神化を使い、シュテンさんと決めた合図をとれば、むこうに呼んで貰える筈だ。
 そう思い、鬼神化を発動使用とした所で、

「あ!!」

 ある事を思い出した。

「そう言えば、シュテンさんが持っている鏡じゃ、部屋の中までは見れないんだっけ?」

 それだと、このまま鬼神化を使っても、シュテンさんに合図を送れない。
 少し考えた結果、ベッドから起き上がり、窓の方へと移動する。

「ここならたぶん、見えるかな?」

 そう思い、このまま鬼神化を使い、決めた合図を送ってみる。
 すると、合図をし終わると同時に、ふわっとした浮遊感が来たと思ったら、景色が変わった。
 変わってすぐ、目の前に見知った顔があった。

「いらっしゃい、ラス君」

「あ、シュテンさん!! 呼んでくれて、ありがとうございます」

「気にしないで下さい。それより、むこうでは、夜も更けてますし、明日もスキルの練習をするようですし、また時間がある際ゆっくりして貰うとして、今日は手早く話をすませましょうか」

「あ、はい!! お願いします」

「では、こちらに来て座って下さい。飲み物を用意してますから。」

「え、飲み物ですか?」

「はい。来るのは分かってましたからね」

「あ、そうなですね…」

 やっぱり、シュテンさんは優秀だなと思いながら、勧められた場所へ座り、飲み物を頂く。

「さて、話をする前に少し待って下さいね…」

 そう言い、シュテンさんは音もなく立ち上がり、そのまま近くの戸に近づき、一気にその戸を開けた。
 すると、

「わぁ!!」

 中へと誰が倒れこんできた。





 ~ラスのスキルの練習が終わった頃~

「終わったようですね。さ、私たちも、ご飯の用意をしましょうか」

「は~い」 「「「「分かりました」」」」

 その後、皆で… と言っても、殆どがお師匠様が用意をしてくれるのだが、ご飯の準備をし、食べ始める。
 そして、食事の最中、お師匠様からラスの事で話があった。

「え、じゃあ、暫くしたらラスがここに来ると言うんですか?」

 そう言われ、ラスに会えると喜んだのも束の間、

「はい。ですが、来るのは夜遅くなると思いますし、ラス君は、スキルの練習で疲れていると思いますから、来たとしても、皆さんの紹介はまた後日にさせて下さいね」

 まさか、今回はラスにあってはダメだと言われてしまう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より

 93話のシュテンと茨の会話の部分を少し変更してます。
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