スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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108話・他心通

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 セウンさんから、先に他心通たしんつうをやるよう勧められ、その理由を聞き、思わずスピカちゃんを見る。

「やってみます!!」

 そう宣言し、他心通を使おうとする前に、

「あ、先にスピカに話をするから、ちょっと待ってくれ、ラス」

 セウンさんに止められる。

「分かりました」

 少しして、話が済んだようで、やってみるよう言われたので、すぐにやってみる。
 すると、

"声、聞こえる?"

 どこかおっとりした感じの女の子の声が聞こえてきた。

「聞こえます、聞こえます!! この声がスピカちゃんの声ですか?」

 声が聞こえた事で、少し興奮しながらも、この声が本当にスピカちゃんなのか確認してみると、

"たぶん?"

 とちゃんと返答があったので、この声が間違いなくスピカちゃんである事を確信した。




 スピカに、ラスの他心通について説明した後、ラスに、他心通を使うよう伝える。
 すると、すぐに少し興奮したラスの声が聞こえてきた。

「おめでとう、ラス。ちゃんと、成功したみたいだな」

「はい!! ちゃんと、スピカちゃんの声が聞こえました!!」

 ラスは、嬉しそうにそう答え、

「だから、その… もう少しスピカちゃんと話をしたいんですけど、いいですか?」

 少し恥ずかしげにそう聞いてくる。
 俺は一応、周りのシエルたちにも確認する視線を送ると、皆笑顔のまま頷いてくれる。

「別に構わないよ。もう少し能力の確認も兼ねて、スピカと話してみてくれ」

「はい!! ありがとうございます!!」

 俺たちにお礼を言った後、再びラスは、スピカに向き直る。
 その間、俺たちはする事がないので、アイテムボックスから取り出した椅子に腰掛け、その様子を見守った。





 スピカちゃんと仲良くなる為に、もう少し話をしたい事をセウンさんたちに伝えると、了承してくれたので、早速スピカちゃんと話し始める。

「改めて、私の名前は、ラスと言います。宜しくお願いします、スピカちゃん」

"うん、よろしく…"

「スピカちゃんは、どういった種族になるんですか?」

"眠り避役スリーピングカメレオン…"

「スリーピング? 眠るって事ですか?」

"そう… ずっと寝てる…"

「そうなんですね。ん? って事は、今私とお話してて大丈夫なんですか?」

"大丈夫…"

「そうですか。なら、良かったです。じゃあ、他にも質問してもいいですか?」

"いいよ…"

「なら、スピカちゃんの好きな事なんかを教えて貰ってもいいですか?」

 少しでも仲良くなる為に、ありきたりな質問をスピカちゃんに聞いてみる。
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