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98話・急な痛み

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 神足通じんそくつうの能力を一通り使用してみた。
 イメージが難しくて、出来ない事(壁抜け)もあったり、使う度に少し気分が悪くなる事もあったけど、それ以上に、この力を慣らしていけばかなり使えそうだと判断する。

「これでまだ、神通力じんつうりきの中の1つの能力でしかないって言うんだから凄いよな…」

「そうじゃな… しかも、これがただ1つの能力にすぎないというから、尚更凄いのじゃ」

「そうだよな。なぁラス。この他にも、後3種類別の神通力を使えるだよな?」

「はい、そうです。えっと、後は確か… 天耳通てんにつう他心通たしんつう宿命通しゅくみょうつうの3つですね」

 残りの使用できる神通力の名前を思い返しながら答える。

「そうそうそれだ。それで、他の神通力もすぐに試すのか?」

「はい、そのつもりです」

「そうか。だけど、神足通を続けてやってたんだし、疲労もあるだろ。残りを試す前に、少し休んだらどうだ?」

 確かに多少の疲れを感じていないと言えば嘘になる。
 だけど、それよりも早く自分の能力を把握したいという気持ちがあった為、

「大丈夫…」

 と断ろうとしたのだが、

「あ、ラスには懐かしいかもしれないが、ポテチも用意しているから、休憩中にどうだ?」

「!? そうですよね。途中途中で、休憩を挟んだ方が効率がいいかもしれませんしね。うんそう、絶対そう。ですから、今すぐ休憩しましょう!!」

 私は、かなり久しぶりに聞いたポテチという言葉に、秒で自分の意見を変えた。
 だけど、こればかりは仕方ない話だ。だって、十数年ぶりのポテチなんだから。

「そ… そうか。なら、今準備するよ」

 そう言って、何処からともなく机や椅子を取り出していたので、私は、1度鬼神化を解除する。
 すると、解除した瞬間、ビキビキビキッと全身に痛みが走り、私は立っていられなくなり、その場に倒れ混んでしまった。

「おい、ラスどうした!!」

 倒れた私のもとに、皆が駆け寄ってきてくれる。

「か… から… だが…」

 体が痛すぎて、言葉も上手く話せない。

「体? 体がどうかあるのか? シェーン!!」

「はい、分かってます!!」

 シェーンさんが、前に出て何か唱えると、私の体が淡く光だす。
 すると徐々に、体の痛みが落ち着いてきた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

 神通力を使用する際は、言葉に出さなくても、発動出来ます。
 ラスの場合はイメージを固める為に、一応言葉にしているだけです。
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