274 / 448
92話・お師匠様
しおりを挟む
ラスと話している時、少し気になった事があったが、ラス自身は、特に気にしたような様子はない為、聞き間違いかと話を続けた。
そして、今度は神足通の飛行を試す事になった。
何かしらあって落ちた時の為に、受け止めれるように準備はするつもりだが、気を付けるように言っておく。
その後、飛行する準備が整ったのか、掛け声と共に、ラスが両足が地面から離れた。
俺だけでなく、シエルたちも驚嘆の声をだす。
だけど、ある一定の高さまでラスが浮かんだ所で、上昇がピタッと止まった。
気を付けるように言った為なのか、それとも、馴れない飛行でそれ以上浮かないようにしたのかでもと思っていたが、上がっては落ちてを繰り返しているラスを見て、どうやら俺が思っていた事は違ったようだった。
ラス自身も、今以上浮かぶ事を諦めて、今度は、前進しだした。だけど、前進するスピードも、かなり遅いようで、数メートル進んだ所で、そっと地面に降りたラスから哀愁が漂っていた。
それを見た俺たちも、何だかいたたまれない気持ちになった。
◆
「早速、頑張っているみたいですね」
ラス君がもとの場所へと戻るのを見送ってから、縁側に腰掛け、ラス君の様子を伺っていた。
それを見ていると、
「ただいま、お師匠様!!」
元気な声が聞こえてきた。
そして、ドタドタと物音をさせながら、5人の鬼人が縁側にやって来る。
「あ、やっぱりここにいた。ただいま、お師匠様!!」
私の姿を見つけ、再び帰還の挨拶をしてくる。
「はい、おかえりなさい、茨。熊、虎、星、金もおかえりなさい」
「「「「はい、ただいま帰りました!!」」」」
茨の後ろにいた4人は、揃って頭を下げながらそう答える。
「それで、お師匠様は、何を見ているんだ? それって確か、むこうの世界を見る鏡だったよね?」
「その通りですよ。新たな君たちの後輩にあたる鬼人の子を見ているんだよ」
茨の質問に答えると、
「やっと、新しい子が出てきたんだ!! 私にも、見せてお師匠様!!」
返事と共に、駆け寄ってくる。
茨だけでなく、他の4人も気にはなるのか、茨の後ろに続いてやって来る。
「えぇ、いいですよ。どうぞ」
5人に見えるように、鏡を動かす。
「お師匠様、お師匠様!!」
「落ち着きなさい、茨」
鏡を指差し、目をキラキラさせる茨を落ち着かせる。
まぁ、なぜ茨がこうなったのか理由は分かっているが、一応尋ねる。
「それで、どうしました?」
「この子って、女の子だよね、お師匠様!!」
「えぇ、そうですよ。茨に続いて2人目の女の子ですね」
思っていた通りの質問だったので、そう答える。
そして、今度は神足通の飛行を試す事になった。
何かしらあって落ちた時の為に、受け止めれるように準備はするつもりだが、気を付けるように言っておく。
その後、飛行する準備が整ったのか、掛け声と共に、ラスが両足が地面から離れた。
俺だけでなく、シエルたちも驚嘆の声をだす。
だけど、ある一定の高さまでラスが浮かんだ所で、上昇がピタッと止まった。
気を付けるように言った為なのか、それとも、馴れない飛行でそれ以上浮かないようにしたのかでもと思っていたが、上がっては落ちてを繰り返しているラスを見て、どうやら俺が思っていた事は違ったようだった。
ラス自身も、今以上浮かぶ事を諦めて、今度は、前進しだした。だけど、前進するスピードも、かなり遅いようで、数メートル進んだ所で、そっと地面に降りたラスから哀愁が漂っていた。
それを見た俺たちも、何だかいたたまれない気持ちになった。
◆
「早速、頑張っているみたいですね」
ラス君がもとの場所へと戻るのを見送ってから、縁側に腰掛け、ラス君の様子を伺っていた。
それを見ていると、
「ただいま、お師匠様!!」
元気な声が聞こえてきた。
そして、ドタドタと物音をさせながら、5人の鬼人が縁側にやって来る。
「あ、やっぱりここにいた。ただいま、お師匠様!!」
私の姿を見つけ、再び帰還の挨拶をしてくる。
「はい、おかえりなさい、茨。熊、虎、星、金もおかえりなさい」
「「「「はい、ただいま帰りました!!」」」」
茨の後ろにいた4人は、揃って頭を下げながらそう答える。
「それで、お師匠様は、何を見ているんだ? それって確か、むこうの世界を見る鏡だったよね?」
「その通りですよ。新たな君たちの後輩にあたる鬼人の子を見ているんだよ」
茨の質問に答えると、
「やっと、新しい子が出てきたんだ!! 私にも、見せてお師匠様!!」
返事と共に、駆け寄ってくる。
茨だけでなく、他の4人も気にはなるのか、茨の後ろに続いてやって来る。
「えぇ、いいですよ。どうぞ」
5人に見えるように、鏡を動かす。
「お師匠様、お師匠様!!」
「落ち着きなさい、茨」
鏡を指差し、目をキラキラさせる茨を落ち着かせる。
まぁ、なぜ茨がこうなったのか理由は分かっているが、一応尋ねる。
「それで、どうしました?」
「この子って、女の子だよね、お師匠様!!」
「えぇ、そうですよ。茨に続いて2人目の女の子ですね」
思っていた通りの質問だったので、そう答える。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
924
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる