スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

８１話・三明の剣

　１つの目の質問が終わり、この際だから、神通力や三明の剣の使い方や詳しい話などについても聞いてみた。

「そうですね…」

　シュテンさんは、チラッと私を見てから、

「なら、今から少しだけ実践してみましょうか？」

　そう提案してくれる。
　確かに、直接見せて貰った方がより分かりやすく学べると思うし、その分早く強くなれるかもしれない。
　早く帰りたい気持ちもあるけど、むこうとは時間の進みが違うみたいだから、強くなる為ならと少し心が揺れ動き、

「…お願いしてもいいですか？」

　実践してみて貰う方に心が傾いた。

「私から提案したんですから大丈夫ですよ。でもその前に、簡単にその２つの事について説明しましょうか。そうした方がより分かりやすいでしょうからね」

「そうですね…　はい、お願いします、シュテンさん」

「はい。ではまず、三明の剣について話しましょうか」

　シュテンさんが指をならすと、大きさの違う三本の剣が現れた。

「これが、三明の剣です。一応１本１本に私の持つ特定の神通力の効果を高める力を持っています」

「なら、私の場合もそうなんですか？」

「そうだと思うんですけど、こればかりは使ってみないと分からないんですよね」

「どういう事なんですか？」

「それが、一応今までスキルを授かった５人も、神通力と三明の剣を使えようになったんですが、どうも使う者によって使える神通力の数が違うんですよね。だから、正直言って、三明の剣の神通力の効果を高める力が役に立たない事があるんですよね」

「え、じゃあもしかして私も？」

「そればかりは、ラス君が実際使ってみないと分からないですね。まぁでも、もし三明の剣の力が使えなくても、普通によく斬れる３本の剣としてなら使えますから大丈夫ですよ」

「あ、そうなんですね。因みに、どのくらいの切れ味なんですか？」

「そうですね…　生前、野生のドラゴンを普通に斬った時は問題なく斬れましたね」

「…そうですか」

　たぶん凄い事なんだと思うけど、そう言われても、私にはいまいち分かりずらかった。

「だから、剣術も一緒に学ぶ事をおすすめしますよ」

「そうですね、分かりました。やれる範囲でやってみようと思います」

「はい、その意気です。では、三明の剣の説明はこのくらいですね。後、三明の剣は実践するにしても特定の神通力の効果を高めるか剣を振るしかないので、そのまま次の神通力についての説明に移らせて貰いますが、いいですか？」

「はい、大丈夫です」

　次は、神通力の説明に移った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

因みに、シュテンの神通力で、ラスがどのくらい神通力を使う事が出来るのか知る事が出来ますが、自分の力がどこまで出来るのかを理解するのも強くなる為の一歩という考えで教えていない感じです。