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76話・詳しい話

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 シュテンさんから聞いた最初の話からとんでもなかった。

「因みに、私が受けたのは武神様の試練だよ。何でも、生前戦場で万単位の敵を皆殺しにしたのが目に止まったみたいだね」

 さらっと、とんでもない事を言ってくる。

「シュテンさんは、生前からとんでもなかったんですね…」

「そうかな?」

「そうですよ。それで気になってたんですが、シュテンさんの生前って、やっぱり私と同じ鬼人族なんですか?」

「あぁ、そうだよ。一応、最初の鬼人族だね」

「最初の鬼人族ですか?」

「そうですよ。当時最強の鬼と呼ばれていた父と人族の中でも特別な力を持っていた母との子が私と言う訳だよ」

「て事は、シュテンさんは、鬼人族の先祖でもあるんですね」

「言われてみればそうなりますね。さて、私の話しはこのくらいにして、ラス君をここに呼んだ理由や先程の行為についての話をしましょうか」

「はい、お願いします」

「じゃあ話を始めるけど、ラス君をここに呼んだ理由は、君が鬼神化のスキルを手にしたからですね」

「やっぱりそうなんですね…」

 まぁ、あのスキルを発動した瞬間にこんな事が起こったんだからそれは予想できていた。

「どうやら、分かっていたみたいですね。ラス君は賢いですね」

「そうですか?」

 口には出さないが、普通に考えれば分かると思うんだけどなと思う。

「まぁ、今までこのスキルを授かった者… と言ってもラス君を含めて6人しかいないんだけど、今までの5人は気づかなかったね」

「そ… そうなんですか?」

「そうですよ。まぁ、人によりますが、基本鬼人族は、考える事が苦手な部分がありますからね」

 そう言われてみて、記憶を振り返ってみると思い当たる部分があった。

「ラス君も、思い当たる節があるみたいだね」

「はい… でも、やっぱり鬼神化スキルってかなり珍しいスキルなんですね」

「そうですね。元々このスキルは、私が半神になった際、私の力を元に創って貰ったスキルですから、私との相性がよくないと発現しないスキルですからね」

「相性ですか?」

「はい、そうです。ラス君は、このスキルの効果は確認しましたよね?」

「はい」

「それで、先程も言いましたが、鬼神化は、私の力を元に創ってあるので、その効果は、私が生前に使っていたものなんですよ。だから、簡単にいえば、生前の私に近い力を使う事が出来ると言うものです」

 それを聞き鬼神化のスキルの効果を思い出しながら、ようはシュテンさんの力がぶっ壊れであったんだなという事は分かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

 鬼人族は、シュテンが言ってる通り鬼(知性はある)と人の子を先祖にその子たちの子どもたちの事です。
 だから、稀に鬼の血が色濃く出て、先祖帰りとして、姿が鬼よりな子も生まれたりします。その場合、普通の鬼人族より力が強かったりします。
 ただ、シュテンの場合は両方の血が掛け合わさり、両親を越えた力を手にいれました。
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