上 下
255 / 448

73話・解放

しおりを挟む
 マオの提案で、ラスの新スキルを試す場所を孤児院からマオの家へ変更する事になった。
 その事を、一応フィア婆様に伝えてから、俺たち5人はマオの家へと移動する。
 移動中に、周りからやたらと視線を感じたけど、それがどんな視線なのか察して、まぁ仕方ないかと諦める事にした。ただ、直接絡んできた相手には、容赦する必要はないので、その相手には、ゴムひものついたハーネスなしの逆バンジーをお見舞いしてやった。
 以外に綺麗に真上に上げるのは難しかったが、ある意味周りの視線でのストレスを解消できたので、途中からもっと絡んで来てもいいぞと思っていたけど、数人空へと舞い上がった頃には、誰も絡んでこなくなった。
 そんなこんなありながらも移動を続け、マオの家へと到着した。
 到着してすぐ少し休憩でも挟もうかと思ったが、ラスがやる気だった為、役割分担を決めてから、そのままスキルを試す事にした。





 マオさんの家にたどり着いた。
 道中、人相の悪い相手から絡まれたりもしたけど、セウンさんが全部相手をしてくれた。
 家に着いた後、休憩をしてくれようとしたけど、早くスキルを試したい私の我が儘で、すぐにスキルを試す事になった。
 私の正面にセウンさん、後ろにシェーンさんたちと、私はその間でスキルをやる事になる。もしスキルが暴走して暴れまわったりでもした時に、すぐにでも抑えられるようにこのような形になった。

「それじゃあ準備はいいか、ラス?」

「大丈夫です!!」

「シエルたちにもいいか?」

「大丈夫よ!!」

「なら、ラス。スキルを使ってみてくれ」

「分かりました。なら、行きます。鬼神化・第一解放ファースト!!」

 スキルを発動した瞬間、目の前が暗転した。
 一瞬、何が起こったのか分からなくなったけど、何かが起こっている事は確かだと思い、すぐに私はセウンさんたちに助けを求めようと口を開こうとしたが、目の前にいたセウンさんの姿がない事に気づいた。

「シェーンさん、セウンさんが…」

 後ろを振り返りながらそう口を開くが、途中で全部言いきる前に止まってしまう。シェーンさんたちの姿もなかったからだ。

「セウンさん!! シェーンさん!! 皆さんどこですか!! いたら返事をして下さい!!」

 私は声を張り上げながら、辺りを探してみるが、返事はなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

 今更ながらで申し訳ないのですが、この話の鬼人とは、普通の人の見た目に、角が生えている人の事です。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:37,239pt お気に入り:30,000

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:42,956pt お気に入り:35,539

処理中です...