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43話・紐
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シェーンが話を通してくれていたようで、フィア婆様が、ラスの実力を確認する為、模擬戦を提案してきた。
だけど、食べすぎたラスは、そんな事を出来る様子ではなかった為、代わりに俺がフィア婆様の相手をする事になった。
「そうこなくっちゃね。ただ、セウンが相手なら少しやる事があるからちょっと、待っといておくれ」
「分かりました」
何をするのか分からないが、とりあえず了承すると、フィア婆様は、孤児院の中へ入っていき、すぐに戻ってきた。
戻ってきたフィア婆様の手には、2本の紐が握られていた。
何か特殊なアイテムなのか?
「フィア婆様、それはなんですか?」
気になったので、聞いてみる。
「見ての通り普通の紐だよ」
「…そうですか。それで、その紐をどうするのですか?」
「これを使って、模擬戦をしようと思ってね」
「その紐を使ってですか?」
「そうだよ。これを体のどこかに身につけて、それを先に相手から取った方が勝ちと言うものだよ。だって、そうしないと普通にセウンと模擬戦しても勝てそうにないからね。それじゃあ、私が悔しいじゃないか」
「…そうなんですね。分かりました、ならそれでやりましょうか」
「はいよ」
俺は紐を受け取り、フィア婆様と同じように、引っ張ればすぐ取れるくらいの力加減で手首に巻いてから、フィア婆様から距離を取る。
「それじゃあ、ラス。開始の合図を任せてもいいか?」
「分かりました。それじゃあ、始め!!」
ラスの合図で、模擬戦が始まる。
開始の合図と同時に、フィア婆様が、3人に増えた。得意の幻術か。
3人に増えたフィア婆様は、3方向から俺にむかってくる。俺の気配感知のレベルも上がっているので、少し集中する事で、フィア婆様の気配を探る。
一番右端のフィア婆様から気配を感じたので、攻撃を仕掛けるが、あっさりと躱され距離をとられる。
距離をとったフィア婆様は、俺の横を指差しながら、
「よそ見していていいのかい?」
と言ってきた。
特に気配感知に反応はないが、少し気になったので、チラッと横目で確認すると、幻術のフィア婆様が突っ込んできていた。
幻術なので、気にせず視線をフィア婆様に戻すとニヤリと笑っていた。
それを不思議に思った瞬間、横から幻術のフィア婆様が飛び出してきて、光る腕で殴りかかってきた。幻術なので、気にしないでいたのだが、その攻撃が睡眠の霧にぶつかった。
幻術の筈なのに何故と驚いた瞬間、手首を引っ張られる感じがしたので見てみると、手首に巻いていた紐が、フィア婆様からとられていた。
だけど、食べすぎたラスは、そんな事を出来る様子ではなかった為、代わりに俺がフィア婆様の相手をする事になった。
「そうこなくっちゃね。ただ、セウンが相手なら少しやる事があるからちょっと、待っといておくれ」
「分かりました」
何をするのか分からないが、とりあえず了承すると、フィア婆様は、孤児院の中へ入っていき、すぐに戻ってきた。
戻ってきたフィア婆様の手には、2本の紐が握られていた。
何か特殊なアイテムなのか?
「フィア婆様、それはなんですか?」
気になったので、聞いてみる。
「見ての通り普通の紐だよ」
「…そうですか。それで、その紐をどうするのですか?」
「これを使って、模擬戦をしようと思ってね」
「その紐を使ってですか?」
「そうだよ。これを体のどこかに身につけて、それを先に相手から取った方が勝ちと言うものだよ。だって、そうしないと普通にセウンと模擬戦しても勝てそうにないからね。それじゃあ、私が悔しいじゃないか」
「…そうなんですね。分かりました、ならそれでやりましょうか」
「はいよ」
俺は紐を受け取り、フィア婆様と同じように、引っ張ればすぐ取れるくらいの力加減で手首に巻いてから、フィア婆様から距離を取る。
「それじゃあ、ラス。開始の合図を任せてもいいか?」
「分かりました。それじゃあ、始め!!」
ラスの合図で、模擬戦が始まる。
開始の合図と同時に、フィア婆様が、3人に増えた。得意の幻術か。
3人に増えたフィア婆様は、3方向から俺にむかってくる。俺の気配感知のレベルも上がっているので、少し集中する事で、フィア婆様の気配を探る。
一番右端のフィア婆様から気配を感じたので、攻撃を仕掛けるが、あっさりと躱され距離をとられる。
距離をとったフィア婆様は、俺の横を指差しながら、
「よそ見していていいのかい?」
と言ってきた。
特に気配感知に反応はないが、少し気になったので、チラッと横目で確認すると、幻術のフィア婆様が突っ込んできていた。
幻術なので、気にせず視線をフィア婆様に戻すとニヤリと笑っていた。
それを不思議に思った瞬間、横から幻術のフィア婆様が飛び出してきて、光る腕で殴りかかってきた。幻術なので、気にしないでいたのだが、その攻撃が睡眠の霧にぶつかった。
幻術の筈なのに何故と驚いた瞬間、手首を引っ張られる感じがしたので見てみると、手首に巻いていた紐が、フィア婆様からとられていた。
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