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39話・スキルの話

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 セウンさんと2人で買い物に来て、荷物はどうするのか聞いてみると、まさかの答えが返ってきた。
 その答えに、自分との違いに少し落ち込んだ。

「どうかしたのか、ラス?」

「あ、いえ何もありません」

「そうか?」

「はい… 因みに、そのスキルは、やっぱり最初から持っていたんですか?」

 もし後から身に付けたのなら、もしかしたら私もという気持ちを込めて聞いてみる。

「アイテムボックスの事か?」

「はい!!」

「いや、後から覚えたスキルだな」

「本当ですか!!」

「あ… あぁ、本当だよ」

「どうやって、覚えたんですか!! 私も覚えたり出来ますか!!」

「落ち着け、ラス。本当にどうした?」

 落ち着くように言われ、つめ寄っていた事に気づく。

「す… すみません… それで、どうやって覚えたんですか?」

「もしかして、ラスも覚えたいのか?」

「はい。だから、もし良かったら覚え方を教えてくれませんか?」

「それは別にいいけど、俺の場合かなり特殊な方法で、覚えたんだよな…」

「特殊な方法ですか?」

「あぁ、とりあえずこっちに来てくれ」

「分かりました」

 セウンさんが、路地裏の方へ行く為、それについていく。





 ラスが、アイテムボックスの覚え方を聞いてきたので、あまり人に話すような話ではない為、とりあえず人のいない場所に移動する。
 移動した後、場所を変えた理由を話す。

「そうなんですね… なら、聞けないんですね…」

 それほど覚えたかったのか、かなり落ち込んでいるように見える。

「いや、ラスなら別に教えてもいいけど、誰にも言わないでくれるか?」

「はい、絶対言いません!!」

「そ… そうか。なら教えるけど、簡単に言えば、俺のスキルで覚えたんだよ」

「?」

 ラスは首を傾げるだけで、あまり理解していない様子なので、詳しく話す。

「より詳しく言えば、俺が授かったスキルが、何か進化して、スキルを覚える効果があったんで、それを使って覚えたんだよ」

「す… 凄まじいスキルですね」

「まぁな」

 ラスに言われてみて、改めて俺のスキルは凄いんだなと思う。

「それで、セウンさん。そのスキルを他の人に使う事は出来たりするんですか」

「それなら、大丈夫だと思うぞ。シエルたちに、罰を与える時にも使えたからな」

「罰? な… なら、それを私に使って貰えますか?」

「それは別にいいけど、このスキルを使うとかなり痛いぞ?」

「え、痛いんですか?」

「あぁ、痛いぞ。それに、このスキルで覚えるスキルはランダムだから、アイテムボックスを覚えるか分からないぞ。それでもいいならやってやるけどどうする?」

「…それでも、お願いしてもいいですか?」

「分かった。だけど、本当に痛いから、また今度な」

「わ… 分かりました」

「それじゃあ、買い出しに行こうか」

「はい」

 路地裏から出て、食材の買い出しにむかう。
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