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39話・スキルの話
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セウンさんと2人で買い物に来て、荷物はどうするのか聞いてみると、まさかの答えが返ってきた。
その答えに、自分との違いに少し落ち込んだ。
「どうかしたのか、ラス?」
「あ、いえ何もありません」
「そうか?」
「はい… 因みに、そのスキルは、やっぱり最初から持っていたんですか?」
もし後から身に付けたのなら、もしかしたら私もという気持ちを込めて聞いてみる。
「アイテムボックスの事か?」
「はい!!」
「いや、後から覚えたスキルだな」
「本当ですか!!」
「あ… あぁ、本当だよ」
「どうやって、覚えたんですか!! 私も覚えたり出来ますか!!」
「落ち着け、ラス。本当にどうした?」
落ち着くように言われ、つめ寄っていた事に気づく。
「す… すみません… それで、どうやって覚えたんですか?」
「もしかして、ラスも覚えたいのか?」
「はい。だから、もし良かったら覚え方を教えてくれませんか?」
「それは別にいいけど、俺の場合かなり特殊な方法で、覚えたんだよな…」
「特殊な方法ですか?」
「あぁ、とりあえずこっちに来てくれ」
「分かりました」
セウンさんが、路地裏の方へ行く為、それについていく。
◆
ラスが、アイテムボックスの覚え方を聞いてきたので、あまり人に話すような話ではない為、とりあえず人のいない場所に移動する。
移動した後、場所を変えた理由を話す。
「そうなんですね… なら、聞けないんですね…」
それほど覚えたかったのか、かなり落ち込んでいるように見える。
「いや、ラスなら別に教えてもいいけど、誰にも言わないでくれるか?」
「はい、絶対言いません!!」
「そ… そうか。なら教えるけど、簡単に言えば、俺のスキルで覚えたんだよ」
「?」
ラスは首を傾げるだけで、あまり理解していない様子なので、詳しく話す。
「より詳しく言えば、俺が授かったスキルが、何か進化して、スキルを覚える効果があったんで、それを使って覚えたんだよ」
「す… 凄まじいスキルですね」
「まぁな」
ラスに言われてみて、改めて俺のスキルは凄いんだなと思う。
「それで、セウンさん。そのスキルを他の人に使う事は出来たりするんですか」
「それなら、大丈夫だと思うぞ。シエルたちに、罰を与える時にも使えたからな」
「罰? な… なら、それを私に使って貰えますか?」
「それは別にいいけど、このスキルを使うとかなり痛いぞ?」
「え、痛いんですか?」
「あぁ、痛いぞ。それに、このスキルで覚えるスキルはランダムだから、アイテムボックスを覚えるか分からないぞ。それでもいいならやってやるけどどうする?」
「…それでも、お願いしてもいいですか?」
「分かった。だけど、本当に痛いから、また今度な」
「わ… 分かりました」
「それじゃあ、買い出しに行こうか」
「はい」
路地裏から出て、食材の買い出しにむかう。
その答えに、自分との違いに少し落ち込んだ。
「どうかしたのか、ラス?」
「あ、いえ何もありません」
「そうか?」
「はい… 因みに、そのスキルは、やっぱり最初から持っていたんですか?」
もし後から身に付けたのなら、もしかしたら私もという気持ちを込めて聞いてみる。
「アイテムボックスの事か?」
「はい!!」
「いや、後から覚えたスキルだな」
「本当ですか!!」
「あ… あぁ、本当だよ」
「どうやって、覚えたんですか!! 私も覚えたり出来ますか!!」
「落ち着け、ラス。本当にどうした?」
落ち着くように言われ、つめ寄っていた事に気づく。
「す… すみません… それで、どうやって覚えたんですか?」
「もしかして、ラスも覚えたいのか?」
「はい。だから、もし良かったら覚え方を教えてくれませんか?」
「それは別にいいけど、俺の場合かなり特殊な方法で、覚えたんだよな…」
「特殊な方法ですか?」
「あぁ、とりあえずこっちに来てくれ」
「分かりました」
セウンさんが、路地裏の方へ行く為、それについていく。
◆
ラスが、アイテムボックスの覚え方を聞いてきたので、あまり人に話すような話ではない為、とりあえず人のいない場所に移動する。
移動した後、場所を変えた理由を話す。
「そうなんですね… なら、聞けないんですね…」
それほど覚えたかったのか、かなり落ち込んでいるように見える。
「いや、ラスなら別に教えてもいいけど、誰にも言わないでくれるか?」
「はい、絶対言いません!!」
「そ… そうか。なら教えるけど、簡単に言えば、俺のスキルで覚えたんだよ」
「?」
ラスは首を傾げるだけで、あまり理解していない様子なので、詳しく話す。
「より詳しく言えば、俺が授かったスキルが、何か進化して、スキルを覚える効果があったんで、それを使って覚えたんだよ」
「す… 凄まじいスキルですね」
「まぁな」
ラスに言われてみて、改めて俺のスキルは凄いんだなと思う。
「それで、セウンさん。そのスキルを他の人に使う事は出来たりするんですか」
「それなら、大丈夫だと思うぞ。シエルたちに、罰を与える時にも使えたからな」
「罰? な… なら、それを私に使って貰えますか?」
「それは別にいいけど、このスキルを使うとかなり痛いぞ?」
「え、痛いんですか?」
「あぁ、痛いぞ。それに、このスキルで覚えるスキルはランダムだから、アイテムボックスを覚えるか分からないぞ。それでもいいならやってやるけどどうする?」
「…それでも、お願いしてもいいですか?」
「分かった。だけど、本当に痛いから、また今度な」
「わ… 分かりました」
「それじゃあ、買い出しに行こうか」
「はい」
路地裏から出て、食材の買い出しにむかう。
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