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37話・お祝い

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 ラスの奴隷契約が無事終わり、支配人にお礼を伝える。
 支配人から、ついでに奴隷を見ていかないかと言われる。少し興味があったけど、シエルたちに阻まれ、すぐ奴隷商を後にする。
 出て少しした所で、

「ねぇ、この後孤児院の皆と一緒にお祝いしない?」

 シエルがそう言い出す。

「突然どうしたのじゃ、シエル?」

「そうですよ、シエルさん」

「だって、ラスちゃんの声が治ったし、奴隷からも解放されたのよ。だから、美味しい物を食べてお祝いしなきゃ!!」

 突然何かと俺も思ったが、理由を聞いて納得する。

「なる程な。いい案かもしれないな」

「でしょ!!」

「なる程のぅ、それなら儂も賛成じゃ」

 マオが賛成した所で、

「でも、少し待ってください」

「どうしたの、シェーン? もしかして、反対なの?」

「いいえ。その案じたいは賛成です」

「なら、どうしたの?」

「そのお祝いの料理などはどうするつもりなんですか? もしかして、私たちに作らせる気ではないですよね?」

「も… もちろん、どこかで買うつもりだったわよ!!」

 そう答えるシエルだったが、若干声が震えている所を見ると、俺たちに作らせる気だったな。

「はぁ…」

 その事にシェーンも気づいているようで、自然とため息が溢して、シエルにつめより怒りだした。
 シェーンが言っている事は、付き合いの短い俺でもそうだろうなぁと頷く程の正論ばかりなので、怒られているシエルも涙目になってくる。
 それを見て、先ほど言ったようにお祝いをする事じたいは賛成なので、助け船を出してやる。

「シェーンそこら辺で許してやってもいいんじゃないか?」

「セウンさん…」

「それに、料理を買うより、食材を買う方が安くすむと思うぞ」

「確かに、その通りですけど…」

「なら、皮むきや食器洗いをシエルとついでにマオにさせるのはどうだ?」

 凄い早さで、え、儂もみたいな顔で、マオが俺を見てきたが、料理作りに関して言えば戦力外なので当然の結果だ。

「そうですね。それなら、大丈夫です。シエルもそれでいいですね」

「分かったわ」

「マオもそれでいいよな?」

「分かったのじゃ…」

 了承もとれたので、役割分担を決めようと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

 料理の腕前について

シェーン → 普通に調理を行える。
マオ → 苦手としているが、皿洗いなどは可。以前、皿を割って戦力外を言い渡された時は、緊張した為である。
シエル → 簡単な作業は出来るが、味付けでへまをやらかす。本人は無自覚でへまをやらかすが、自分の作る料理があまり美味しくないとは理解している。
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