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36話・契約解除

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 フィア婆様の話が出てきた事に、不思議そうに話に加わってくるラスに、シェーンがフィア婆様の事を説明していた。

「院長さんって、そんなに凄い人だったんですか!?」

 フィア婆様の武勇伝を聞かされたラスからは、驚愕の声があがる。
 俺も、初めてのお茶会で改めた詳しく話を聞いた時は、そう思った。

「…でも、そんな凄い方が、教えてくれるんでしょうか?」

「言われてみれば確かにそうだな…」

 フィア婆様は、院長の仕事もしているし、俺たちで勝手に話を進めても時間をとれるか微妙な所だよな…

「たぶん、大丈夫だと思いますよ」

「ん? どういう事だ、シェーン?」

「はい。もともと、フィアンマ様は、孤児院にいる子供たちに組手としょうして護身術を教えているんです」

「なるほどな。それに、ラスも参加させるという訳か?」

「はい、そうです」

「なら、帰ったらフィア婆様にそう声をかけてみようか。悪いけど、ラスもそれでいいか?」

「はい、大丈夫です。あ… 後魔法も使ってみたいんですが、私でも出来ますか?」

「魔法か… 確か、スキル授与で授かるか、魔法適性がある場合使えた筈だったと思うが、そうだよな?」

 魔法に詳しそうなマオに聞いてみる。

「そうじゃな。魔法なら、時間がある時でいいのなら儂が教えられる… 「本当ですか!!」 …あぁ、本当じゃが、その前に、まずはその魔法適性を調べるのが先じゃな」

「なら、その魔法適性を後でお願い出来ますか… えっと…」

「あぁ、儂の名前は、マオじゃよ」

「マオさんですね。それで、後でお願い出来ますか?」

「分かったのじゃ。ただその前に、契約解除じゃな。そろそろつく筈じゃ」

「ありがとうございます。分かりました」

 マオの言う通り、少し離れた場所に、それらしき看板が見えてきた。
 もう少し歩いてから、シエルを先頭に、俺たちもその店へと入っていく。
 すると、ダンディなおじさんが出迎えてくれ、挨拶をしてくれる。
 どうやら、ここの支配人みたいで、昨日シエルたちが話を通してくれたので、すぐに別室に案内される。
 案内された後、契約解除についての説明をされ、ラスの奴隷契約解除が始まった。
 まず、契約解除には奴隷の血、この場合はラスの血が必要ならしく、血をとるために、用意してくれた針で指をさして血をとり、それを使って、契約解除を行った。
 フィア婆様が言っていた通り、痛みを伴うようで、ラスは、顔をしかめていた。
 少しして、痛みも治まったのか表情も元に戻った。
 支配人からも、解除できた事を教えられ、ラスに確認して貰うと、無事奴隷契約が解除出来ていた。
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