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33話・声の出所

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 明日の事について話した後、俺たちは部屋を後にする。

「セウンは、この後どうするの?」

「そうだな…」

 この後シエルたちが、ラスの奴隷解放について奴隷商へと話を通してくれる事になっている。それについていってもいいのだが、正直その場にいても特にやる事もないと思うので、

「アイテムの補充でもしに行くかな」

 渡したエリクサーの補充をする為に、ダンジョンに行く事にした。
 出口まで一緒に行く事になり、歩き出そうとした所で、どこからともなく声のようなものが聞こえてくる。

「なぁ、何か聞こえないか?」

「そうね確かに聞こえるけど、子どもたちが、遊んでる声じゃないの?」

「そうか?」

 それにしては、何だか気合いの入ったような感じがするのだが…  まぁ、いいか…
 そのまま、歩いていくと、その声はどんどんはっきり聞こえるようになってきて、自然ととある部屋の前で立ち止まってしまう。

「ここからだよな…」

「ここね」 「ここですね」 「ここじゃな」

 その部屋は、フィア婆様と話をする前に、俺が出てきた部屋だった。
 俺は、3人を見渡した後、

コンッコンッ

「ラス、セウンだけど、今いいか?」

 ノックしながら、声をかける。

「せ… セウンさん?  はい、ちょっと待って下さい」

 少しして扉が開き、中から、額に汗をかき少し息の荒くなっているラスが出てきた。

「あれ?  皆さんもご一緒に、どうかしました?」

「あ、いや突然悪いな。部屋の前を通ろうとしたら、中から声が聞こえてきたから、少し心配になってな。大丈夫か?」

「そうだったんですね。ご心配おかけして、すみません。ただ少し体を動かしていただけなんです」

「なんだ、そうだったのか。まぁ、体を動かすのはいいけど、治ったばかりなんだから無茶はしないようにな」

「はい、すみません…」

「いや、謝る必要はないよ。あ、ついでに話があるから入っても… 「セウンさん」 …どうした、シェーン?」

「たぶん、ラスちゃんも疲れていると思うので、後で私から話しておきますよ」

「そうだな… なら、お願いしようかな。」

「任せて下さい」

「て事で、ラス」

「は… はい」

「後から、シェーンから話を聞いてくれるか?」

「分かりました」

「それじゃあ、また明日な」

「はい、また明日?」

 俺たちは、ラスと別れ出口へとむかう。
 シェーンは、やる事が出来たとの事でシエルたちについていかずに、孤児院に残るようで、シェーンに見送られ孤児院を後にし、俺は、そのままシエルたちとも別れ、1人ダンジョンにむかった。
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