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閑話・ラスの過去 8

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 目が覚めると、目の前に何かがあった。

『スキル:怒るの第一覚醒条件をみたしました。スロットが解放され、以下の能力が使用できます』

怒れラージュ・・・ 身体能力を1.2倍強化する。(能力値:Lv1)

 何だろうこれ… 文字?
 それは、すぐ消えてしまう。それが消えた所で、見覚えのある天井が目につく。ゆっくりと身体を起こしてから、顔を動かし、ここが自分の家である事に気づく。
 私助かったんだ… 
 そう思うと、あの時の恐怖から助かった安心からか、自然と涙が出てくる。そして、僅かに、沸々と心の奥から何かが沸いてくる感じがしていると、

「ラス!!」

 呼ぶ声と同時に、ぎゅっと抱き締められる。
 すると、沸々と沸いていた気持ちが落ち着いてくる。
 私は、抱き返しながら、抱き締めてくれた人を呼ぼうとして、ある違和感に気づく。
 声が出ない… 何度か試してみるも、それは変わらず、更に涙が出てくる。

「どうかしたの、ラス?」

 何かを察したのか、抱き締めてくれていたお母さんが顔をあげ、尋ねてきてくれる。
 だけど私は、涙を流しながら、口をパクパクさせるだけで、それに答える事が出来なかった。

「ラス… もしかして貴方、声が出ないの…」

 お母さんは、目を見開きながらそう聞いてきてくれたので、私は、頭を縦に振る。
 お母さんは、何も言わずに、再びぎゅっと先程よりも強く抱き締めてくれ、背中を擦ってくれる。
 少しの間、そうしていると、

「起きたのか、ラス!!」

 お父さんも入ってきて、お母さんと一緒に強く抱き締めてくれる。
 それが嬉しく、更に私の目から涙がこぼれた。





「泣き疲れたようだな…」

「そうね…」

 ラスは、私たちの胸の中で、眠ってしまった。
 ラスを横にさせてから、2人で部屋を出る。

「あなた、話があるから、ついてきて」

「わ… 分かった」

 有無を言わせない程の迫力があり、私は大人しくついていく。

「それで、集会はどうなったの?」

 そう聞かれた私は、集会で話した事を教え、話終えた後、ララから衝撃な話を聞かされる。
 それが、信じられずに、聞き返すのだが、

「それは、本当なのか?」

「えぇ、そうみたい」

「そうか…」

 本当の事のようだ。
 怒りのまま、家を飛び出そうと思ったが、ララに止められ、冷静になるように怒られてしまう。
 心を落ち着かせ、ララとこの後どうするのかを話あった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

 スキルについて
人族 → 女神から祝福で会得&自然に会得
その他の種族 → 生まれた時に会得&自然に会得

 人族が女神から祝福で会得するスキルの代わりに、他種族は、生まれた時に会得的な感じにしてます。
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