上 下
194 / 453

閑話・ラスの過去 2

しおりを挟む
 私は、そら君にボールを返してからコンビニにむかった。





「れんくん、だいじょうぶ?」

「あ、ちーちゃん。だいじょうぶだよ」

「そう。なら、皆の所に戻ろうか」

「うん!!」

 僕は、ちーちゃんと皆の所に戻る。
 戻ると、他の子から、お姉ちゃんから何言われていたのか聞かれたので、

「んっとね、危ないから、ボールで遊んじゃダメだって」

 僕は、お姉ちゃんから言われた事を皆に教える。
 そして、皆で話それなら、鬼ごっこをしようって事になった。
 鬼ごっこを始める前に、僕はボールをお母さんに預けにきた。

「ん? そら、どうしたの?」

「皆で、鬼ごっこする事になったから、ボール持ってて」

「そうなの。分かったわ」

 お母さんは、僕から受け取ったボールを足元に置き、ちーちゃんのお母さんと話し出す。
 僕は、もう一度ボールの事を頼んでから、皆の所に戻る。
 皆と鬼ごっこしていると、強い風がふいた。
 僕も風に負けて、尻餅をつく。

「いてて…」

 お尻を押さえながら立ち上がろうとした所で、

「あ、ボール!!」

 僕の少し前をボールが横切っていく。
 僕は、すぐに転がるボールを追いかけていく。
 ボールを捕まえた所で、後ろから、

「そら!!」

 お母さんに呼ばれる声がし、振り返ろうとした所で、誰かに背中を押された。





 ちゃらららららー ちゃららららー

 コンビニに入り、雑誌コーナーから見ていき、おにぎりなどを置いているコーナーにむかう。
 そこから、ミックスサンドと野○生○100を手に取りレジへとむかう。他の客の清算を待っている間に、ホットスナックの肉まんが目に入ってしまう。

「次のお客様どうぞ」

 隣のレジに店員が来たようで呼ばれる。
 私は、手に持っていたミックスサンドと○菜○活100を置き、

「肉まんもお願いします」

 誘惑に負け、買ってしまう。
 清算を済ませ、コンビニを出て少し進んだ所で立ち止まり、袋から肉まんを取り出し食べながら、帰路につく。
 公園の近くを通ろうとした所で、突然突風がふいた。

「何なの急に…」

 乱れた髪を手櫛でとかした後、歩き出すと、道路の真ん中に何かが飛び出してきた。

「ボール?」

 それが、何か分かった所で、それを追いかけてきたのか子供まで飛び出してきた。

「そら!!」

 女性の叫び声が聞こえる前に、私は走り出していた。
 だって、奥から大型トラックがこっちにむかって来ていたからだ。
 ギリギリの所で、そら君を突き飛ばせた所で、

ドンッ

 と音と共に、強い衝撃を受け、地面をころがる。
 止まった時には、所々が痛み出す。

「う…」

 身体を動かそうとするが、痛いだけで動く気配がない。それ所か、徐々に意識が遠のいていくのを感じる。
しおりを挟む
感想 103

あなたにおすすめの小説

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *無断転載、無断翻訳を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我
ファンタジー
 日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。  仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。  そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。  そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。  忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。  生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。  ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。 この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。 冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。 なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。

ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった 16歳の少年【カン】 しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ これで魔導まで極めているのだが 王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ 渋々それに付き合っていた… だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである ※タイトルは思い付かなかったので適当です ※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました 以降はあとがきに変更になります ※現在執筆に集中させて頂くべく 必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします ※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...