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20話・実力を考慮して

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 シェーンの起こす声で目を覚ますが、頭がガンガンする。どうやら、マオを私と同じようでも頭を押さえている。
 その後、シェーンが話があるようで、回復魔法をかけてくれ、頭の痛みも治まったので、話を聞き始める。

「そんな事があったんだ…」

「はい、そうみたいです」

「そこにいるのは、鬼人なんじゃな」

「セウンさんは、そう言ってましたね」

 マオが少し黙りこんだ後に、もう少し詳しく話を聞きたいと言い出し、セウンに連絡をとる事になったのだが、

ぐ~~

 私のお腹が悲鳴をあげる。

「あ、ごめん。お腹すいちゃって…」

「…そうじゃの。儂も、お腹が減ったのじゃ」

「なら、先にご飯を食べましょうか」

 少し張り詰めていた空気が和らぎ、ご飯を食べる事になった。

「お腹も一杯になったし、セウンに連絡してみようか」

「でも、セウンさんの都合は大丈夫ですかね?」

「そう言えば、そうじゃの…」

「一応、遠話してみて出なかったら、時間をおいてもう一度したらいいんじゃないの?」

「そうじゃな…」

 マオが代表して、セウンに遠話をかける。





 新しく受けた依頼場所へ向かっている途中で、遠話のブレスレットが反応したので、出てみる。

『セウンかの?』

「ん、マオか?」

『そうじゃ』

「ちゃんと、起きたんだな」

『う… うん。遠話をしてくれたようじゃが、出れずに悪かったのじゃ』

「あぁ、別にいいよ。こっちこそ、寝ている時に、遠話して悪かったな」

「儂も、別にいいのじゃ」

「それで、どうかしたのか?」

『あぁ、セウンがシェーンに話した話をもう少し詳しく聞きたいのじゃが、今時間はあるかの?』

「あぁ、あの話な。悪いけど、今少し依頼を受けてる最中だから、後でもいいか?」

『分かったのじゃ。依頼は、手伝った方がいいかの?』

「いや、大丈夫だよ。それじゃあ、依頼が終わったら、こっちから遠話するな」

『分かったのじゃ!!』

 遠話を切ってから、俺は依頼場所へとむかった。
 その後、無事依頼を終わらせ、マオへと遠話する。

「マオか?」

『そうじゃ。依頼は、無事に終わったのかの?』

「あぁ、終わったよ。この後、依頼報告した後に、話をしに行こうと思うんだが、どこに行けばいい?」

『儂の家で、大丈夫じゃよ』

「了解。それじゃあ、また後でな」

 遠話を終え、ギルドに戻ってから依頼達成の報告を済ませると、

「おめでとうございます、セウンさん。これで、Dランクへ上がりました」

 突然のランクアップ報告を受ける。
 それを不思議に思っていると、小声で理由を教えてくれた。
 何でも、持ち込んだ素材から、実力を考慮してのランクアップだそうだ。

「そんな事で、ランクを上げていいんですか?」

「大丈夫ですよ。それに、そもそもランクとは、冒険者の皆さんが、無理な依頼を受けないように分別した事が始まりと言われてます。だから、セウンさんの実力ならランクを上げても、大丈夫だろうという判断ですから。」

「そうなんですね…」

 まぁ、文句もないので、ギルドカードを更新し、マオの家へとむかった。
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