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14話・繋がらない理由

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 俺は、マレンさんにお礼を伝えた後、お店を出てから、人の邪魔にならない場所へ移動し、遠話のブレスレットを起動する。

「あれ?」

 しばらく待ってみたが、何故かシエルが遠話に出なかった。
 次にマオにも、遠話をしてみたのだが、こっちもやっぱり反応がなく、出なかった。

「もしかして、何かあったのか…」

 少し不安を抱きながら、最後にシェーンに遠話をしてみると、少しして繋がったが、

『すみません、セウンさん!!』

 繋がった瞬間、シェーンが突然謝ってきた。
 繋がった事に、安心しながら、

「いや、それはいいんだけど、シエルとマオの2人にも遠話したんだけど、反応がなかったんだが、何かあったりしたのか?」

 シェーンも昨日は、マオの家に泊まっている筈なので、2人が出ない理由を聞いてみる。

『特に、何かあった訳ではありません。ただ、今の今まで、寝ていただけです…』

「寝ていた?」

『はい…』

「シェーンも?」

『はい… すみません…』

「いや、いいよ。でも、シエルとマオの2人ならともかく、シェーンもってのは、何だな珍しい気がするな」

『すみません… 昨日、寝たのが殆ど朝方だったもので…』

「そっか… 何だか、起こしたみたいで、悪いな」

『い… いえ、大丈夫です。それで、どうかしたんですか?』

「あぁ、それがな…」

 俺は、マレンから聞いた事の情報を教える。

「…てな訳だから、一応シェーンたちにも教えておこうと思ってな。それで、悪いけど、寝ている2人にも伝えて貰ってもいいか?」

『そうですか。ありがとうございます。2人にもちゃんと、伝えておきます』

「なら、頼んだよ。それじゃあな」

『はい!!』

 2人に伝えるのをシェーンに任せて、遠話を終わる。
 遠話も終わったので、冒険者ギルドへ依頼達成の報告をしに行こうかとした所で、

「そこで、何をしてる!!」

 誰かに呼び止められ、声のした方をみると、紙袋を持った金髪の少女がそこにいた。

「知り合いに、連絡をとってただけだよ。それよりも、君は誰かな?」

 たぶん、初めてあったと思うんだが、何だか、俺に対しての敵意をやたら感じる。

「連絡だと… まさか、マレンの事なの?」

 俺の質問は、さらっと無視される。
 それにしても、まさかマレンさんの知り合いなのか?
 まぁ、それでも、敵意を抱かれる理由が分からない。

「それより、君は誰かな?」

 だから、俺も彼女の質問に答えずに、先程と同じ事を聞き返す。

「・・・」

 少女は、何も答えずに睨んでくる。

「!?」

 何か嫌な予感がし、咄嗟にその場を飛び退く。
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