167 / 453
閑話・マレン(過去編) 19
しおりを挟む
私たちは、回り道をしながら街へと戻った。
「あれが、街ですよ、ルナさん!!」
私は、街を指差しながらルナさんに教える。
「ふふ… それは、知ってるよ、マレン」
「あ、そうですよね… あはは」
少し恥ずかしくなり、話を変える為、気になった事を聞いてみる。
「そう言えば、ルナさんは、街に入った事はあるんですか?」
「いや、ないよ。行くのも面倒だったしね」
「なら、今回が初めての街なんですね」
「そうなるね。だから、案内は任せたよ」
「はい!! 任せて下さい!!」
そんな話をしている内に、街へとたどり着いた。
入り口では、昨日みたいな事が起こる事もなく、ルナさんもちゃんと街に入る事が出来た。
街に入ると、まずは家へと案内し、家族を紹介する。そのついでに、一緒に暮らしたい事を伝えると、二つ返事で、了承してくれた。
◆
街へと戻った私たちは、すぐに国王にその旨を報告後、魔法師団を混ぜて会議を行う。
会議の結果、まず複数人の斥候で森を探索。発見後は即座に退却し、森の外に待機させている混合の討伐隊で金色の蜘蛛を討伐する手筈となった。
その後、1週間ほど森の調査を行ったが、金色の蜘蛛を見つける事は出来なかった。
その為、金色の蜘蛛はどこかへ逃亡したという結論に至った。
◆
ルナさんが、街に来てから早数ヶ月がたった。
この数ヶ月で、ルナさんも冒険者登録を済ませ、一緒にダンジョンに行ったりと色々あった。
そして、今日、私とルナさんで街を離れる事になった。まぁ、離れると言っても帰ってこない訳ではなく、旅をして、村や町などを回るだけだ。
何で、そんな事になったのか… それは、数日前に遡る。
「ねぇ、マレン。マレンのその能力は、何匹でもいけるの?」
「どうなんですかね… 試した事がないので、分からないですね。でも、どうしてですか?」
「いや、マレンっていつもお金がないって言っているでしょ?」
「え… 私そんなにいつも言ってます!!」
「それでね、その能力を使った稼ぎ方を考えたんだよ」
「あ… 無視ですか…」
金蜘蛛時代のルナさんは、1日の大半が眠る事だったみたいだけど、今では、よく本を読む様になった。その為、更に賢くなったルナさんにあしらわれる事が増えたような気がする。
「…それで、その稼ぎ方ってのどうやるんですか?」
「それはね…」
その案とは、私の能力下にある虫さんを街に無数に放ち、情報を集めて、その情報を売ると言うものだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者より(捕捉)
ルナ 金蜘蛛Ver 糸攻撃力UP
人化Ver 糸操作力UP
人化Verの際、極細の糸を自身を中心に張り巡らせる事によって、周囲の警戒をしたりしています。
次で、マレン編が終わる予定です。
「あれが、街ですよ、ルナさん!!」
私は、街を指差しながらルナさんに教える。
「ふふ… それは、知ってるよ、マレン」
「あ、そうですよね… あはは」
少し恥ずかしくなり、話を変える為、気になった事を聞いてみる。
「そう言えば、ルナさんは、街に入った事はあるんですか?」
「いや、ないよ。行くのも面倒だったしね」
「なら、今回が初めての街なんですね」
「そうなるね。だから、案内は任せたよ」
「はい!! 任せて下さい!!」
そんな話をしている内に、街へとたどり着いた。
入り口では、昨日みたいな事が起こる事もなく、ルナさんもちゃんと街に入る事が出来た。
街に入ると、まずは家へと案内し、家族を紹介する。そのついでに、一緒に暮らしたい事を伝えると、二つ返事で、了承してくれた。
◆
街へと戻った私たちは、すぐに国王にその旨を報告後、魔法師団を混ぜて会議を行う。
会議の結果、まず複数人の斥候で森を探索。発見後は即座に退却し、森の外に待機させている混合の討伐隊で金色の蜘蛛を討伐する手筈となった。
その後、1週間ほど森の調査を行ったが、金色の蜘蛛を見つける事は出来なかった。
その為、金色の蜘蛛はどこかへ逃亡したという結論に至った。
◆
ルナさんが、街に来てから早数ヶ月がたった。
この数ヶ月で、ルナさんも冒険者登録を済ませ、一緒にダンジョンに行ったりと色々あった。
そして、今日、私とルナさんで街を離れる事になった。まぁ、離れると言っても帰ってこない訳ではなく、旅をして、村や町などを回るだけだ。
何で、そんな事になったのか… それは、数日前に遡る。
「ねぇ、マレン。マレンのその能力は、何匹でもいけるの?」
「どうなんですかね… 試した事がないので、分からないですね。でも、どうしてですか?」
「いや、マレンっていつもお金がないって言っているでしょ?」
「え… 私そんなにいつも言ってます!!」
「それでね、その能力を使った稼ぎ方を考えたんだよ」
「あ… 無視ですか…」
金蜘蛛時代のルナさんは、1日の大半が眠る事だったみたいだけど、今では、よく本を読む様になった。その為、更に賢くなったルナさんにあしらわれる事が増えたような気がする。
「…それで、その稼ぎ方ってのどうやるんですか?」
「それはね…」
その案とは、私の能力下にある虫さんを街に無数に放ち、情報を集めて、その情報を売ると言うものだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者より(捕捉)
ルナ 金蜘蛛Ver 糸攻撃力UP
人化Ver 糸操作力UP
人化Verの際、極細の糸を自身を中心に張り巡らせる事によって、周囲の警戒をしたりしています。
次で、マレン編が終わる予定です。
4
お気に入りに追加
979
あなたにおすすめの小説

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。

変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜
赤井水
ファンタジー
クロス伯爵家に生まれたケビン・クロス。
神に会った記憶も無く、前世で何故死んだのかもよく分からないが転生した事はわかっていた。
洗礼式で初めて神と話よく分からないが転生させて貰ったのは理解することに。
彼は喜んだ。
この世界で魔法を扱える事に。
同い歳の腹違いの兄を持ち、必死に嫡男から逃れ貴族にならない為なら努力を惜しまない。
理由は簡単だ、魔法が研究出来ないから。
その為には彼は変人と言われようが奇人と言われようが構わない。
ケビンは優秀というレッテルや女性という地雷を踏まぬ様に必死に生活して行くのであった。
ダンス?腹芸?んなもん勉強する位なら魔法を勉強するわ!!と。
「絶対に貴族にはならない!うぉぉぉぉ」
今日も魔法を使います。
※作者嬉し泣きの情報
3/21 11:00
ファンタジー・SFでランキング5位(24hptランキング)
有名作品のすぐ下に自分の作品の名前があるのは不思議な感覚です。
3/21
HOT男性向けランキングで2位に入れました。
TOP10入り!!
4/7
お気に入り登録者様の人数が3000人行きました。
応援ありがとうございます。
皆様のおかげです。
これからも上がる様に頑張ります。
※お気に入り登録者数減り続けてる……がむばるOrz
〜第15回ファンタジー大賞〜
67位でした!!
皆様のおかげですこう言った結果になりました。
5万Ptも貰えたことに感謝します!
改稿中……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )☁︎︎⋆。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ギフト争奪戦に乗り遅れたら、ラストワン賞で最強スキルを手に入れた
みももも
ファンタジー
異世界召喚に巻き込まれたイツキは異空間でギフトの争奪戦に巻き込まれてしまう。
争奪戦に積極的に参加できなかったイツキは最後に残された余り物の最弱ギフトを選ぶことになってしまうが、イツキがギフトを手にしたその瞬間、イツキ一人が残された異空間に謎のファンファーレが鳴り響く。
イツキが手にしたのは誰にも選ばれることのなかった最弱ギフト。
そしてそれと、もう一つ……。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~
存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?!
はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?!
火・金・日、投稿予定
投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる