スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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閑話・マレン(過去編) 19

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 私たちは、回り道をしながら街へと戻った。

「あれが、街ですよ、ルナさん!!」

 私は、街を指差しながらルナさんに教える。

「ふふ… それは、知ってるよ、マレン」

「あ、そうですよね… あはは」

 少し恥ずかしくなり、話を変える為、気になった事を聞いてみる。

「そう言えば、ルナさんは、街に入った事はあるんですか?」

「いや、ないよ。行くのも面倒だったしね」

「なら、今回が初めての街なんですね」

「そうなるね。だから、案内は任せたよ」

「はい!! 任せて下さい!!」

 そんな話をしている内に、街へとたどり着いた。
 入り口では、昨日みたいな事が起こる事もなく、ルナさんもちゃんと街に入る事が出来た。
 街に入ると、まずは家へと案内し、家族を紹介する。そのついでに、一緒に暮らしたい事を伝えると、二つ返事で、了承してくれた。





 街へと戻った私たちは、すぐに国王にその旨を報告後、魔法師団を混ぜて会議を行う。
 会議の結果、まず複数人の斥候で森を探索。発見後は即座に退却し、森の外に待機させている混合の討伐隊で金色の蜘蛛を討伐する手筈となった。
 その後、1週間ほど森の調査を行ったが、金色の蜘蛛を見つける事は出来なかった。
 その為、金色の蜘蛛はどこかへ逃亡したという結論に至った。




 
 ルナさんが、街に来てから早数ヶ月がたった。
 この数ヶ月で、ルナさんも冒険者登録を済ませ、一緒にダンジョンに行ったりと色々あった。
 そして、今日、私とルナさんで街を離れる事になった。まぁ、離れると言っても帰ってこない訳ではなく、旅をして、村や町などを回るだけだ。
 何で、そんな事になったのか… それは、数日前に遡る。

「ねぇ、マレン。マレンのその能力は、何匹でもいけるの?」

「どうなんですかね… 試した事がないので、分からないですね。でも、どうしてですか?」

「いや、マレンっていつもお金がないって言っているでしょ?」

「え… 私そんなにいつも言ってます!!」

「それでね、その能力を使った稼ぎ方を考えたんだよ」

「あ… 無視ですか…」

 金蜘蛛時代のルナさんは、1日の大半が眠る事だったみたいだけど、今では、よく本を読む様になった。その為、更に賢くなったルナさんにあしらわれる事が増えたような気がする。

「…それで、その稼ぎ方ってのどうやるんですか?」

「それはね…」

 その案とは、私の能力下にある虫さんを街に無数に放ち、情報を集めて、その情報を売ると言うものだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者より(捕捉)

ルナ 金蜘蛛Ver 糸攻撃力UP
   人化Ver 糸操作力UP

 人化Verの際、極細の糸を自身を中心に張り巡らせる事によって、周囲の警戒をしたりしています。

 次で、マレン編が終わる予定です。
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