スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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閑話・マレン(過去編) 17

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 金蜘蛛さんから、騎士たちと出会った経緯やゴブリンのバラバラ死体について教えて貰った。

「そうだったんですね… その… ありがとうございます、金蜘蛛さん」

 金蜘蛛さんの話を聞き、私は、深々と頭をさげお礼を言った。

『なんの事?』

「ゴブリンの事です… 私の為にって…」

『あぁ、その事ね。気にしないで、単なる気まぐれだから』

「それでもです。それで、金蜘蛛さんは今後どうするんでか?」

 騎士たちを殺してはいないようだが、この森に、金蜘蛛さんがいる事はばれてしまっている。だから、遅かれ早かれ討伐隊がやってくるだろう。

『どうしたものかね…』

 煮え切らない答えが返ってきた。
 それを聞いて、私は、金蜘蛛さんが、討伐隊が派遣される事をしならいのではとその説明をする。

『それは、理解しているよ。他の所でも、同じような事があったからね』

「そうだったんですね。その時は、どうしたんですか?」

『その時は、相手にするのも面倒だから、別の場所に移ったよ。そこまで、闘いが好きという訳じゃないしね』

「なら今回も、どこかへ移ったりしないんですか?」

 折角仲良くなれたから、離れるのは少し寂しいが、金蜘蛛さんが討伐される可能性があるのなら、どこか移った方がいいのでは聞いてみる。

『それも、そうなんだけど、マレンみたいな面白い人族に折角会えたのに、すぐに別れるのもなんだかね…』

「!?」

 どうやら、金蜘蛛さんも私と同じ気持ちのようだった。それが、何だか嬉しかった。

「な… なら、私と一緒に街に来ませんか?」

『私がかい?』

「はい!!」

『ふふふっ』

 当然金蜘蛛さんが、笑い出す。

「き… 金蜘蛛さん?」

『あぁ、悪いね。まさか、そんな事を言われるとは思ってなくてね…』

「あ、すみません… こんな事言われても困りますよね…」

『いや、そうでもないよ。だから、そのお誘い受けようと思うよ』

「…え?」

『だから、私も一緒に街に行くよって言ってるんだよ』

「いいんですか!!」

『いや、マレンが誘ってくれたんでしょ』

「それはそうなんですけど、まさか本当に来てくれるとは思ってなかったもので… 嬉しいです…」

『ふふ… それは、良かったよ』

「なら、騎士たちに見つかる前に、すぐ街に行きましょう!!」

『そうだね』

「あ、でもその姿じゃ… 『分かってるよ』」

 金蜘蛛さんは、そう言うと、体が縮んでいき、例の金髪美少女になった。今回も、素っ裸でだ。
 だけど、今回は私が指摘する前に、真っ白なワンピースを身に付けてくれた。

「それじゃあ、行こうか?」

「はい!!」

 私たちは、街へと戻った。
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