スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

閑話・マレン(過去編) 16

　シャドースパイダーに乗ったまま、しばらく進むと、洞窟につく前に、奥から、金蜘蛛さんが迎えに来てくれた。どうやら、見た感じ怪我などなく、無事なようだ。
　私は、金蜘蛛さんが無事だった事に安心しつつ、シャドースパイダーに止まるよう指示を出した所で、

『マレン、昨日の今日で、どうかしたの？』

　もう目の前に来ていた金蜘蛛さんが、そう聞いてきた。私は、シャドースパイダーから降りて、

「金蜘蛛さん、突然来てしまって、すみません。それが…」

　私は、金蜘蛛さんに会いに来た理由を説明する。

「…それで、金蜘蛛さんの事が心配になり、その事を伝えに来ました。」

『そう…　心配してくれて、ありがとう、マレン』

「いえ、お礼を言われる程でもありません。それで、金蜘蛛さん。たぶん、騎士たちのゴブリン退治も今日か明日には終わると思うので、騎士たちに会わないように、その間隠れていてくれませんか？」

　私は、金蜘蛛さんが騎士たちに、見つからないように、そうお願いする。

『マレンの言いたい事は分かるんだけど、ちょっと、それは無理そうだね…』

「！？」

　私のお願いは、断られた。

「ど…　どうして、でしょうか？」

『だって、たぶんその騎士たちとは、さっき出会ったからね』

「・・・　え？」

　既に、騎士たちに、出会った？　金蜘蛛さんが？
　私は、金蜘蛛さんの体を改めて見てみるが、傷らしきものは見当たらない。

「じょ…　冗談ですよね、金蜘蛛さん？」

『いや、本当の事だよ。私も、油断しててね…』

　その後、騎士たちと出会った経緯やゴブリンのバラバラ死体について教えて貰った。


◆


　私は、すぐに隊の編成を行った。
　今回は、近場の出来事と言う事もあって、直接私も出るつもりだ。
　大まかな編成を終え、出動する者に連絡をとらせ、集まり次第すぐに出発した。
　森につくと、すぐにゴブリンのバラバラ死体の元へと案内して貰う。

「これです、団長。」

　指差す方に、ゴブリンの死体があった。

「これですか…」

　その死体は、聞いていた通り、不自然な程バラバラだった。それを、自らの目で確認する。確認を終えると、ひとまずサムたちと合流しようと思い、私たちは、複数の足跡がみられる森の奥へと進んで行く。
　進む先にも、ゴブリンの死体が転々と転がっていた。
　しばらく進んで行くと、ある光景が目の前に飛び込んできた。
　私は、すぐに連れてきた者たちに、助け出すよう指示を出し、私も近くにいたものから助け出していく。
　全員を絡まった糸から助け出し、情報の共有を行った。