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閑話・マレン(過去編) 13

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 金蜘蛛さんを見送った後、私も、街へ帰る事にした。
 でもその前に、私の真横にいる金蜘蛛さんが召喚してくれたシャドースパイダーとむきあい、試しに、能力を使ってみる事にした。
 今回みたいに、関わりが全くない者を相手に能力を使用しても、普通なら何の変化も起こらない筈なのに、

「あ、出来た」

 今回は、何故か、シャドースパイダーとの繋がりを感じた。
 私は、本当に能力が使えるのか、シャドースパイダーに、私の影に潜るよう伝えると、シャドースパイダーは、言われた通り、私の影に潜った。しゃがみこんで、ペタペタと自分の影を触ってみるが、とてもシャドースパイダーがいるように思えない。
 次に、視覚を共有してみると、月明かりに照らされる自分を下から見上げていた。

「やっぱり、ちゃんと使える… それにしても、影の中からでも、見えるんだ…」

 普通に、凄いなと思いつつも、確認を終えたので、私は立ち上がり街へと歩き始めた。





 歩き始め、3分の1ほど進んだ所で、私は、立ち止まっていた。
 より、正確に言うなら、疲れて寝転んでいた。
 金蜘蛛さんには、少し見栄をはって、大丈夫と言ったのだが、やはり駄目だった。
 私は、このままここで寝るしかないかと覚悟を決めようとした所で、肩を誰かにつつかれる。
 私は、つつかれた方を見てみると、シャドースパイダーが影から出てきていた。

「どうかしたの?」

 私は、能力を使いながら、話しかけると、何でも背中に乗せてくれると言ってくれた。
 少し迷ったが、結局街の近くまで乗せて貰った。
 街の近くまで来ると、私は、シャドースパイダーにお礼を言ってから、また影に潜って貰い、最後の力をふり絞り街へと戻った。
 門の所で、少し時間をとられたが、何とか街へといれて貰い、家へ帰りつくと、お母さんに強く抱き締められた。心配かけたことを謝りつつも、心配してくれた事が嬉しかった。ただ、その後に、鬼と化したお母さんに怒られた事は、しばらくの間忘れそうにない。
 怒られた後、私は部屋に戻り、体も拭かずに、眠りについた。





 次の日、私は、再び森へむかう事にした。
 何でもあの森に、騎士団が巡回がてらゴブリンの討伐をしに行くとお母さんから聞いた為、金蜘蛛さんの事が心配になった為だ。
 街を出る際耳にしたのだが、騎士団は既に出発した後だった。
 私も急いで、森へとむかったのだが、案の定途中で疲れはてたので、今回もシャドースパイダーにお世話になり、森へと到着する。到着した後も、そのままシャドースパイダーに乗ったまま、金蜘蛛さんのもとへむかった。
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