スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

閑話・マレン(過去編) 6

　今分かっている能力の範囲で、自分が出来る事を考えてみる。
　少しの間考えてみたが、考えている最中に、ふとお父さんの出来事を思い出し、その結果、出来る事が、覗き見しか思いつかなかった。
　これ以上考えても、何も思いつけそうになかった私は、考えるのを止め、日課の雑務クエストを受ける為、冒険者ギルドへむかった。


◆


　ギルドに到着し、クエストボードを確認するが、いつも私がやったいるお使いクエストは無く、どぶ掃除や力仕事がメインの雑務クエストしかなかった。
　この数ヶ月で、少しは体力がついたと思うが、それでも残ってある雑務クエストを出来るとは思えなかった私は、私にでも出来るクエストがないか受付に聞きに行った。
　その結果、勧められたクエストが、

「ヒール草の採取ですか？」

　ランクフリーの誰でも受けられるクエストだった。

「はい、そうです。ヒール草は、ご存じ通り回復ポーションの素材として使われますので、随時買い取りをしています。森林系ダンジョン内の浅い層で採取する事も出来ますし、近くの森でも採取可能なので、ランクの低い冒険者様に勧めているクエストになっております。また…」

　私は、冒険者になる時に、一通りの事について調べたことがあるので、ヒール草についてもある程度知っていたので、受付嬢の話を聞きながら、どうするか考えていた。
　正直なところ今だに、ダンジョン所か、街の外にすら出たことない。これを気に行ってみるのも悪くないかも知れない。ただ、ダンジョンだとモンスターと遭遇する可能性が高く、戦闘スキル何てものは１つも持っていない私が１人で行っても危ないだけだ。ならばと、遭遇率がダンジョンより低い、街の外の森に行ってみる事にした。
　そう決めた付けた私は、今だに話している受付嬢に、

「ヒール草の採取受けますので、手続きをお願いします…」

「…分かりました」

　手続きを済ませた私は、冒険者になった時に買ったナイフを一度確認した後、街の外へとむかった。


◆


～とある受付嬢の昼休み～

「ねぇ、あの冒険者にヒール草の採取のクエスト勧めて良かったの？　あの人、確かソロの冒険者よね？」

「確かに、ソロの冒険者ですが、そこまで採取難易度が高い訳ではないので、大丈夫だと思いますよ」

「それも、そっか。そう言えば、あれの説明はしたの？」

「あれ？　あぁ、あれの事ですか。はい、ちゃんとしましたよ」

「なら、大丈夫ね。それにしても、いつだっけ？」

「確か、明日ですね。明日のお昼頃に、騎士団の方が、巡視をかねて、森で増えているモンスターを倒す予定の筈です」

「そうだったわね。それじゃあ、午後からも、頑張りますか！！」

「はい」

　午後の仕事に戻った時には、先ほどの冒険者の事は、頭のすみに追いやられていた。