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閑話・マレン(過去編) 4
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共有する相手がいなくなった事もあるが、私は、あの日から、能力を使わなくなった。
使うのが、少し怖くなったからだ。
だけど、その日は、突然やってきた。
◆
マレンが、早めに眠りについた後、あの人が帰ってきた。帰ってきた時間は、いつも通りだ。
「おかえりなさい、あなた。今日も、お疲れ様」
「あぁ、ただいま」
「夕食は、どうする?」
「食べたから、大丈夫だよ」
「分かったわ。なら、残りは明日の朝食にでもするわ」
「悪いな。それより、マレンはどうしたんだ?」
「何か、調子が悪いみたいで、早めに寝たわ」
「そうか… 大丈夫なのか?」
「ご飯は、ちゃんと食べたし、熱もなさそうだから大丈夫だと思うわ」
「なら、良かった。俺も、今日は疲れたから、早めに休むよ」
「そう… 分かったわ。それより、疲れたって事はいつもと違う事をしたの?」
「!? べ… 別に、いつもと変わらない… あ、いやいつもより、体を動かしたからかな…」
「そう… それは、大変だったわね」
「あぁ、そうだな…」
そう言い、そそくさと部屋の方へとむかって行った。
何かあると確信した私は、時間がある時に、マレンが言っていた場所へと行ってみると、とある女性を見つけた。しかも、どこか見覚えのある女性だった。思い返してみると、あの人の職場で、何度かみかけた事があることを思い出した。
「まさか…」
とある考えに至った私は、その夜、あの人に、全てを知っている風を装い、話を切り出してみると、あの人は全てを話出した。
あの人と彼女の関係は、マレンが生まれるくらいから、始まったそうだ。それを聞いて、最初に抱いた感情は、マレンを案じる気持ちだった。どうやら、自分が気づいていない内に、あの人への気持ちも覚めていたようだ。だからなのか、
「別かれましょう…」
自然とそう口にしていた。
初めは、嫌がっていたあの人も、私の気持ちが変わらない事を悟ったのか、最後には了承してくれる。
数日後、私と彼は赤の他人になった。
◆
「マレン、突然で悪いんだけど、お父さんの家に行こうか?」
「おじいちゃんたちの家?」
「えぇ、そうよ。今日から、そっちの家で暮らすのよ」
「…分かった」
ここ数日間の2人を見ていた私は、拒否することなく、お母さんとおじいちゃんたちの家へとむかい、一緒に暮らしだした。当然のように、お父さんはいなかった。
成長していくにつれて、私のせいだと悩んだ事もあったが、お母さんは、私を責めることなく、それ所か決めたのは私だと慰めてくれた。
その為、私はお母さんに楽させようとお金を稼ぐため、自分の能力を理解し、情報屋になった。
使うのが、少し怖くなったからだ。
だけど、その日は、突然やってきた。
◆
マレンが、早めに眠りについた後、あの人が帰ってきた。帰ってきた時間は、いつも通りだ。
「おかえりなさい、あなた。今日も、お疲れ様」
「あぁ、ただいま」
「夕食は、どうする?」
「食べたから、大丈夫だよ」
「分かったわ。なら、残りは明日の朝食にでもするわ」
「悪いな。それより、マレンはどうしたんだ?」
「何か、調子が悪いみたいで、早めに寝たわ」
「そうか… 大丈夫なのか?」
「ご飯は、ちゃんと食べたし、熱もなさそうだから大丈夫だと思うわ」
「なら、良かった。俺も、今日は疲れたから、早めに休むよ」
「そう… 分かったわ。それより、疲れたって事はいつもと違う事をしたの?」
「!? べ… 別に、いつもと変わらない… あ、いやいつもより、体を動かしたからかな…」
「そう… それは、大変だったわね」
「あぁ、そうだな…」
そう言い、そそくさと部屋の方へとむかって行った。
何かあると確信した私は、時間がある時に、マレンが言っていた場所へと行ってみると、とある女性を見つけた。しかも、どこか見覚えのある女性だった。思い返してみると、あの人の職場で、何度かみかけた事があることを思い出した。
「まさか…」
とある考えに至った私は、その夜、あの人に、全てを知っている風を装い、話を切り出してみると、あの人は全てを話出した。
あの人と彼女の関係は、マレンが生まれるくらいから、始まったそうだ。それを聞いて、最初に抱いた感情は、マレンを案じる気持ちだった。どうやら、自分が気づいていない内に、あの人への気持ちも覚めていたようだ。だからなのか、
「別かれましょう…」
自然とそう口にしていた。
初めは、嫌がっていたあの人も、私の気持ちが変わらない事を悟ったのか、最後には了承してくれる。
数日後、私と彼は赤の他人になった。
◆
「マレン、突然で悪いんだけど、お父さんの家に行こうか?」
「おじいちゃんたちの家?」
「えぇ、そうよ。今日から、そっちの家で暮らすのよ」
「…分かった」
ここ数日間の2人を見ていた私は、拒否することなく、お母さんとおじいちゃんたちの家へとむかい、一緒に暮らしだした。当然のように、お父さんはいなかった。
成長していくにつれて、私のせいだと悩んだ事もあったが、お母さんは、私を責めることなく、それ所か決めたのは私だと慰めてくれた。
その為、私はお母さんに楽させようとお金を稼ぐため、自分の能力を理解し、情報屋になった。
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